芦屋市議会議員 大原ゆうき活動報告

芦屋市議会議員、大原ゆうきの活動内容などを記したブログです。 日本維新の会、兵庫維新の会所属です。

タグ:JR芦屋駅南地区市街地再開発

今日は本会議。長かった3月定例会の最終日でした。 以下の議事を執り行っています。

  • 市長提出議案第10~36号議案の議決
  • 請願第8号の議決
  • 議員提出議案第17~20号の提案、議決

討論祭りだったため、すごく長くなりました。 最終日の本会議って、大体午前中には終わるんですが 今日は15時超えてました。別に予定とかは入れてないから良いんですけど。

市長提出議案の議決について

  • 全会一致で可決
  • 第10号芦屋市パートタイム会計年度任用職員の報酬、期末手当及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例の制定について
    第11号芦屋市職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例の制定について
    第12号芦屋市手数料条例の一部を改正する条例の制定について
    第13号芦屋市震災復興地区住宅市街地整備総合支援事業に係る従前居住者用住宅の設置及び管理に関する条例の一部を改正する条例の制定について
    第14号芦屋市特定教育・保育施設及び特定地域型保育事業の保育料等に関する条例及び芦屋市立幼保連携型認定こども園の設置及び管理に関する条例の一部を改正する条例の制定について
    第15号芦屋市福祉医療費の助成に関する条例の一部を改正する条例の制定について
    第17号芦屋市指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準等を定める条例及び芦屋市指定介護予防支援等の事業の人員及び運営に関する基準等を定める条例の一部を改正する条例の制定について
    第19号芦屋市国民健康保険条例の一部を改正する条例の制定について
    第21号令和3年度芦屋市国民健康保険事業特別会計予算
    第24号令和3年度芦屋市駐車場事業特別会計予算
    第27号令和3年度芦屋市打出芦屋財産区共有財産会計予算
    第29号令和3年度芦屋市水道事業会計予算
    第30号令和3年度芦屋市病院事業会計予算
    第31号令和3年度芦屋市下水道事業会計予算
    第32号芦屋市指定金融機関の指定について
    第33号芦屋市職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例の制定について
    第34号芦屋市介護保険条例の一部を改正する条例の制定について
    第35号芦屋市国民健康保険条例の一部を改正する条例の制定について
    第36号令和2年度芦屋市一般会計補正予算(第12号)
  • 賛成多数で可決
  • 第16号芦屋市指定地域密着型サービスの事業の人員、設備及び運営に関する基準等を定める条例及び芦屋市指定地域密着型介護予防サービスの事業の人員、設備及び運営に関する基準等を定める条例の一部を改正する条例の制定について
    第18号芦屋市介護保険条例の一部を改正する条例の制定について
    第25号令和3年度芦屋市介護保険事業特別会計予算
    第26号令和3年度芦屋市後期高齢者医療事業特別会計予算
    第28号令和3年度芦屋市三条津知財産区共有財産会計予算
  • 修正可決
  • 第20号令和3年度芦屋市一般会計予算
    第22号令和3年度芦屋市公共用地取得費特別会計予算
    第23号令和3年度芦屋市都市再開発事業特別会計予算

うちの会派としては、第20~23号議案については、修正案に反対、原案に賛成。 その他の議案は賛成という態度を取っています。その他の議員さんの態度についてはこちら(3月22日の分)

各会計予算について

個別の事業で認められないものがあるというだけでは、予算全体の反対には至りません。 なので、基本的には賛成ベースで考えています。仮に、反対したいんだ!ということであれば 修正案を示すことになると思います。

修正議案について

先日の予算特別委員会でも示されていますが、再開発関連予算を削除するもの。 その心は、事業手法の変更も視野に入れて検討せよとのことです。

これについては討論してますので、簡単に紹介します。 12月議会の時と似てるんちゃうのん?というのは無しで。 (同じようなことを繰り返しているということでもある)

計画の実現性の問題

事業手法を変更したとしても、用地取得が必要になります。 それは、現状の道路幅員の狭さを見れば、誰でもわかること。

問題は「用地取得できるものなの?」という点です。 というのも、本件は長きに渡って地権者と市とで協議を進めてきた案件です。 協議の主となるのは、自身の資産の話。当該地で事業を進めることで損や後悔があってはならないので、 当然、考えられる全てのプランを検討してきているはずです。

都市計画決定され、事業認可されて具体的に話が動き出しているこのタイミングで 事業手法を変更するとなると、これまでの協議に要した時間が全てパーになり、 もう一度イチから協議しなおす必要があります。そうした手続きを踏み、地権者が交渉に応じてくれるでしょうか。

費用対効果の観点での事業有効性

街路事業などの費用について、市が試算したものが 特別委員会において示されています。

0010

それによると、事業手法変更の本丸である街路事業に変更した場合、 市負担額は以下のようになると示されています。

ケース市負担額
ロータリー、再開発ビルをつくらないケース67.9億円
再開発ビルを建てないケース88.4億円

一方で、12月議会で示された縮減プランの場合、市負担額は99億円。 両者の差分は以下のとおりとなります。

ケース市負担額縮減プランとの差分
ロータリー、再開発ビルをつくらないケース67.9億円31.1億円
再開発ビルを建てないケース88.4億円10.6億円

ロータリーと再開発ビルを設けないケースの場合

再開発ビルがないということは、デッキもつくられないということになります。 歩行者と自動車の動線を明確に分離するロータリーとデッキという仕組みなくして 現状の交通課題の抜本解決は難しい。

また、JRの北側にあるバス停のユーザビリティは決して高くない。 混雑時には歩道が利用者であふれかえるような事態を引き起こすため、 車いすの方が安心して通行できるシチュエーションを担保できなくなる可能性があります。

あと、そもそも論として、60億円以上のコストを投じて中途半端な対応を講じると言うこと自体に疑問があります。 中途半端な対応をした場合、後年に再整備が必要となる可能性が高くなります。そうなると、結局高くついてしまう。

再開発ビルをつくらない場合

公共施設、デッキを失うことになります。 いずれも、駅周辺の利便性を大きく改善させる施設であることは言うまでもありません。 プラン変更で失う効果は、10億円以上になるだろうと思います。

執行済みのお金も忘れてはいけない

執行済みのお金は以下のとおりです。

市負担額(令和元年度予算時点)15.4億円
国庫補助(令和元年度予算時点)10.3億円

国庫補助は、再開発事業として受け取っている補助金です。 事業手法を変更した場合、受け取りかつ執行済みの補助金を返還する必要があります。 そうなると、事業手法を変更した場合は25.7億円の損失となります。

これは、事業手法を変更した場合に得られるであろう最高の差額とニアリーな数字です。 再開発ビルだけを無くした場合だと、減少額よりも損失額の方が大きい。 やはり、このタイミングでの事業手法の変更は現実的ではないと言えます。

潜在リスクの問題

本事業は、既に具体的に話が進んでいる話です。机上で計画を練っている段階ではなく 関係事業者や地権者、国・県を巻き込み、現在進行形で進んでいるもの。 そうした状況の中で計画を急きょストップすると、芦屋市の計画ありきで進んでいる関係者が何らかの損失を被ることになります。 関係者の過失によるものではなく、芦屋市の約束不履行による損失。 関係者が市に対して何らかの賠償を求めるリスクを内包していることは、誰の目にも明らかです。

特に地権者が被る被害は甚大

特に、地権者は市の判断によって人生を翻弄されることにもなりかねません。 こうした方々が受ける損失は計り知れないものがあります。 既に売却されている方は当然として、転居を含めたライフプランを検討されていた地権者においても、同様に損失があると思います。 芦屋市の判断による損失であり、損失を受けたことは客観的に見ても明らかであるため 損失補償を市に求めたとしても、何ら不思議ではないと思います。

JR西日本にも損失が生じる

駅の駅舎改良については、既にJR西日本と芦屋市とで交わした「JR芦屋駅改良工事等の施行に関する協定」に基づいて工事が執り行われています。 同協定は平成30年の6月議会において全会一致で可決されているものであり、 紛れもなく議会が関わっているものです。同協定では、芦屋市負担として36億5905万3000円の支払い義務が規定されています。 芦屋市がどういう判断を下そうが、この部分についてはJR西日本に支払う義務があるものです。

なお、当時の委員会での市答弁によると、市負担額の部分の50%程度は国庫補助を見込んでいたとのこと。 ただし、それは再開発事業における補助金を活用することを想定しており、事業手法が変更となると 前述の36億5905万3000円の負担は、100%市が負担することとなります。

同協定には違約金条項がない

そして、同協定では、違約金条項がありません。 同協定は、市が再開発事業を進める前提で締結されたものであり、市が再開発事業を実施しないとなると前提が覆ります。 民法で定める債務不履行に該当して然るべき事象であり、本来であれば違約金の支払い義務があるものだと思います。 市の債務不履行によって生じた損失を含む違約金が後から請求されても不思議ではありません。

駅舎はデッキとつなぐ想定で設計されている

駅舎は再開発ビルとデッキでつなぐことを想定して設計されているため、この前提が覆る場合は設計変更が必要となります。 特に、デッキについては避難経路として想定したものになるため、デッキがなくなると大きな設計変更が必要となります。 工事は着々と進んでいるものですから、芦屋市の判断が遅くなると、変更に必要となる金額も大きくなります。 芦屋市マターによるJR側の損失については、芦屋市が追加で負担しなければなりません。 これを固辞すれば、それこそ訴訟ものです。

事業手法の変更を論じるタイミングではない

都市計画決定前であれば、財政を理由とした事業手法変更の考え方は議論の余地はあると思います。 また、以下のようなシチュエーションであれば、大きな路線変更も必要になるでしょう。

  • 芦屋で大災害が発生し、大規模復興が必要となる
  • 市と業者の癒着が発覚する

現実にはそうした事態には至っていません。 また、将来の財政が厳しいという状況は議会が条例を全会一致で認めた平成30年の頃から何ら変わっていません。 別にこのタイミングで急に悪くなったわけではありません。それはJRも認めているから、JRの工事が粛々と進んでいるんです。

市の路線変更に大義名分が見いだせるのであれば、関係者各位も芦屋市の判断に一定の理解を示してくれると思います。 でも、現実はそうじゃない。動き出している案件について、ここまで大きな路線変更を求めるというのであれば、 客観的指標に基づいた根拠を示す必要があるだろうと思います。

議員提出議案第17~20号の提案、議決

全会一致なので即決しているんですが、僕的には大きな要素だったと思うので、 敢えて触れておきます。

第17号議案:芦屋市議会議員及び市長等の倫理に関する条例の一部を改正する条例の制定について

芦屋市議会議員及び市長等の倫理に関する条例のうち、「倫理規準の遵守」を示す第3条に以下の条文を追加するもの。

  • その地位や権限を利用して,他者に対する嫌がらせ,強制,圧力をかける行為,各種ハラスメントその他人権侵害のおそれのある行為を行わないこと。
  • 職務上知り得た情報を,自己若しくは特定の者の不正若しくは不当な利益のため使用し,又は特定の者に対する誹謗中傷のため使用する等,不正若しくは不当な目的のために使用しないこと。

昨今の社会情勢を反映した良い条文だと思います。これを議会側から提起したことが意義あるだろうなと。 というのも、昨年7月に市が実施した『芦屋市職員ハラスメント実態把握調査結果報告書』によると、 「議員からハラスメントを受けた」とする職員が5名いたからです。

職員のハラスメントを強く糾弾していた議会ですから、ゼロが当たり前やろと思っていたので 衝撃を受けたのは覚えています。その後、議会としてハラスメントについての調査はしてません。 それもどうかなとは思うんですが、ただ、「やったらあかん」ルールに自ら含めたのです。 自然と自浄作用が働いてくるのかなと淡い期待を持っています。

今日は予算特別委員会。終わった後にはJR芦屋駅南地区再開発事業調査特別委員会も。

予算特別委員会

以下の3つの分科会での審査結果を持ち寄るという位置づけの委員会になります。

  • 建設公営企業分科会
  • 民生文教分科会
  • 総務分科会

例年なら、一般会計とその他の会計についての賛否等を諮るだけの会です。 ですが、今年は昨年に引き続き、またも動きがありました。 詳しくは本会議の日に書こうと思ってるので、今日のところは簡単に。

修正案が出された件

以下の議案について、修正案が出されました。 結論から言うと、賛成多数で修正案を可決すべきものとしています。 うちの会派は修正案には反対しています。

第20号議案令和3年度芦屋市一般会計予算
第22号議案令和3年度芦屋市公共用地取得費特別会計予算
第23号議案令和3年度芦屋市都市再開発事業特別会計予算

修正案の内容については多岐にわたっているので、細かいことは書きません。 端的に言うと、再開発関連予算を削ったというもの。昨年とほぼ同じ構図です。

一つ違うところとしては、提出者の口から「事業手法の変更」ということが明確にされたということでしょうか。 要するに、再開発手法で事業計画決定したプランを白紙撤回せよということです。 それはアカンやで…。っていうポイントが多々ありますが、それはまた本会議の日に。 ちょいちょい記事には書いてるんですけどね。

ただ、公共用地取得費特別会計については少しイレギュラーなので、 ちょっとだけ解説しておきます。

公共用地取得費特別会計と再開発の関連

地権者からの用地取得に必要なお金

ここで削られたお金と言うのは 結論から言うと、地権者から民有地を取得する際に生じるお金です。 なんでこういう手続きをしているかというと・・・。

用地取得には補助金を充てる

再開発で必要となる民有地については、地権者から用地取得する際に 補助金を活用しながら取得することになります。

ただ、昨年のように補助金を受け取るための予算が否決となると 補助金を受け取ることができなくなります。

急遽取得することになった場合、いったん特別会計で買取

地権者との交渉の折、急遽用地取得をしなければならない事態 (買取請求など)が起こらないとも限りません。

その場合に必要となるお金については、 いったん公共用地取得費特別会計から捻出します。

そして、一般会計で補助金を受け取る土壌ができた後に 一般会計から用地を買い戻す。そうすると、用地取得に補助金を 適用させることができます。

多分、テクニカルな手段だと思いますが 無駄が出ないようにうまいこと編成してくれているという認識です。

反対理由

色々とあるんですが、詳しくは22日に行われる本会議で~ということにします。 本会議で討論した上で、改めてきっちり書こうと思います。

まあ、主張は特に変えていないので過去の委員会や本会議で発言したことを もう一度言うことになると思いますけどね…。時間も経過し、理解も更に深まっている訳ですから、 より洗練された内容を論じようとは思っています。

JR芦屋駅南地区再開発事業調査特別委員会

「再開発にかかる広報について」という名目で開かれました。 前回もそうだったんですが、今回も日程調整なしでいつの間にか 日程が決まっていました。日程調整を受けていないにもかかわらず、全員参加。偉い。

自分が発言したことだけ書いときます。

再開発ってなんなん?どうなってるん?の情報は発信すべき

全ての市民が使う可能性があるJR周辺の開発は、多くの市民がかかわる案件

前提として言えるのは、芦屋市におけるJRは特別な場所と言うこと。 駅周辺は、世代を超えて、時代を超えて市民の誰しもが使うことになるスポットです。 手法の是非はさておきとして、多くの市民がかかわる案件であるわけですから、 市民に知っておいてほしい案件だと思います。

とりわけ、芦屋市の再開発については色んな報道機関で取り上げられています。 「よく分からん」という方でも、「なんか揉めてる」ということはご存じだと思います。

色んな数字や用語、諸々をきちんと解説した広報チャネルが必要

広報番組にせよ、広報紙にせよ、限定的な情報であり 再開発を取り上げたとて、概要しか載っていません。

概要さえもご存じない方が多数おられた状況下において、 この広報にはそれ相応の意義はあったのだろうと思います。 と言いながらも、テクニカルな用語が含む案件でややこしい話なのに、 色々な情報が飛び交っている状況です。いわば、「何が正しい情報なのか」がまったく分からない状況になっています。

せっかく市民が「こうあるべきだ」と議論するような土壌ができたとしても、 正しくない情報で以て議論を行っても時間の無駄。芦屋市という公的機関が 正しい情報を掲示しておくというのはとても重要です。

一番いいのは広報あしや特別号。無理ならネットで

リーチの大きさを考えると、全戸配布される広報紙の特別号を出してもらうのがベターだろうと思います。 ですが予算の絡みもあり、それが叶わない可能性もあります。

ただ、広報紙での展開は難しいにしても「ホームページには全部載ってる」 という状況にはしておく必要があると思います。興味を持った市民が知ろうにも、 知りようがないからです。

芦屋市政の周知にかけては、芦屋市の右に出るものはいない訳ですから、 数字など、正しい情報を市民にお知らせするということを意識してもらいたいと思います。

今日は予算特別委員会建設公営企業分科会。 以下の予算について、審査が行われました。

予算種類
令和3年度芦屋市一般会計予算11款 災害復旧費
8款 土木費
令和3年度芦屋市都市再開発事業特別会計予算
令和3年度芦屋市駐車場事業特別会計予算

再開発。何度も何度も何度も同じやりとりを繰り返しているように思います。 が、やり取りを聞く限り、状況を整理されてたようなやりとりも僅かながらにあったので、ちょっとだけ触れときます。 それさえも、既出の情報でありますが。

そもそも、何で金額増えたん?っていう話

過去の委員会での資料を総合すると、こうなります。 (ホントはグラフとかで示した方が分かりやすいんだと思いますが、力尽きました)

区分金額(百万円)差分増額に占める割合備考
変更前変更後
工事費本工事費公共施設594551-43-0.75% 
建築施設延べ面積増による建築工事費

1,04518.13% 
週休二日制の導入による経費

991.72% 
地下2階化に伴う建築工事費

3405.90% 
分棟化による内外装工事費

2925.07% 
駐車場面積増による電気・機械設備工事費

981.70% 
立体駐車場工事費(取り止め)

-286-4.96% 
労務・資材価格の上昇(約18%)等による建築工事費

1,07918.72% 
付帯工事費3484500.87%外構工事・水道引込負担金の変更による増
測量及び試験費2611-15-0.26% 
用地及び補償費6,8659,9703,10553.86%地価上昇,工期延長及び精査による建物補償・通損補償の増
営繕費144137-7-0.12%仮設店舗の規模縮小による設置費の減
管理処分諸費483574911.58%調査・設計費の増
事務費21798-119-2.06%
借入金利子2460360.62%建築施設工事の工期延長等による増
合計13,04218,8075,765

トータルで言うと、確かに工事費だけで57億6500万円の増加です。 ですが内訳を見ると、以下の増加分だけで増加分の74.29%を占めていることが分かります。

  • 用地費+補償費の増加
  • 労務・資材単価上昇による増加
  • 週休二日制導入による経費の増加

これらの増加要因は、市がコントロールできない外的要因によるもの。 また、地価の上昇による用地費・補償費の上昇は再開発事業にはつきものです。 だって「再開発がある」という見込みで地価が上がるんやもん。

工事費だけでも57億6500万円も増えた!という主張はある意味正しいんですが、 市がコントロールできる範囲内に限定すると、18億6600万円の増になります。

まあ、それでも多いやないのって言われたらそうなんですけど。

市の負担額の推移はどうなってんの?

なんかよく分からないけど、本件、総事業費で語られることが多い。 でも、考えるべきは市の負担がどんだけか?ということであるべき。

費用負担の推移は以下の通り。

 H30.2R2.2R2.11
関連事業JR5.75.75.7
国庫補助22.216.510.1
市負担44.841.325.5
再開発事業市負担88.599.191.5
国庫補助41.944.139.4
特定建築者0.057.456.2
合計203.1264.1228.4

うち、市負担を切り出してみると、以下のような形になります。

 H30.2R2.2R2.11
関連事業市負担44.841.325.5
再開発事業市負担88.599.191.5
保留床処分金-46.6-20.7-18.0
合計86.7119.799

縮減後の市負担額で言うと、12.3億の増。 大きいっちゃ大きいんですが、民間企業や地権者を大きく巻き込んだ現在進行形の事業を止めてどうこう… という状況ではないんじゃないかと思います。

億ションを建てるプランなんて!

厳密には順番が違います。 億ションを建てるのが目的ではありません。

ザクっというと、以下のような流れで計画が進んでいます。

  1. 駅前の交通課題を解決する必要がある
  2. そのためには道路を拡幅する必要があり、民有地を取得する必要がある
  3. 市が民有地を取得して事業する場合、代替の家を用意しないと地権者は立ち退きせざるを得ない
  4. 立ち退きありきのプランでは、地権者の賛同を得られなかった(土地の取得が叶わない)
  5. 地権者が生活、商売を継続するための床を作り出す必要がある⇒再開発ビルの建設が必要

また、業平の地価はかなり上がっています。 駅直結のマンションを建てた時点で、それ相応の金額になるのは必然です。 マンションの価格を決めるのは建物のクオリティではなく、どこに建てるか?です。 建物のクオリティもありますが、価格を引き上げる主な要因は土地。 逆に言うと、地権者の方々はそれだけの価値がある資産をお持ちであるということです。

もう事業費を比較して云々というフェーズではない

一貫して、高すぎるんだ!的な主張が目立ちます。 今のフェーズが、これからの駅前整備はどないしようか…というものであれば、 この理屈は大いに検討の余地ありでしょう。

ただ、県から事業認可を受け、条例を市議会で全会一致で可決(平成30年6月29日)し JRとの協定書も市議会で全会一致で可決(平成30年6月29日)している事業であり、 それ相応の時間が経過している事業です。

JRの工事も始まっていますし、地権者との交渉も進んでいます。 もはや、芦屋市単独でどうこうするフェーズは終わっています。 途中で「やっぱやーめた」されてしまうと、同じプロジェクトとして動いている JRは困りますし、地権者はもっと困ります。

伸るか反るか?の判断をする際には、額面だけでなく 既に執行済みのお金や計画変更に伴うコストなども含めて判断する必要があります。 既に、そういうフェーズに入っています。

既に執行済みのお金の問題

僕が考えるだけでも、これだけがあります。 仮に事業手法を変更して事業費をちょっと下げたとて、 比較すると厳しいよって思います。

  • 令和元年度予算分までの累計で、既に15.4億円を投じている。
  • 令和元年度予算分までの累計で、「再開発事業」の国庫補助として10.3億円を受け取っている。
    • 「再開発事業」の事業手法を変更した場合、この国庫補助は返さないといけない。
  • JRとの協定書に基づいて、JRに支払わなければならないお金が約36億5000万円ほどある(再開発を止めたら払わんでいいというものではない)

内包リスクの問題

また、現時点では数値化できないリスクも内包しています。

  • 再開発を進める前提で締結された協定書上には、違約金条項が定められていない。
  • 再開発ありきで設計・建設されているJR駅舎の設計変更等に生じる損失額を補償する必要がある。
    • 特に、ペデストリアンデッキを避難所として位置づけて計画されていたため、それが無くなってしまうと、JR側は抜本的に設計変更する必要が生じる。
  • 地権者のライフプランに多大な影響を与えることになる。未契約の地権者も含め、訴訟を受けるリスクがある。

計画変更で失われるもの

更に、計画が変わると以下の損失も生じます。

  • 地下駐輪場ができない(駅前に点在する駐輪場はそのまま)
  • バス、タクシーロータリー、デッキができない(歩車分離の動線が確保されない)

平成30年にこういう議論をすべきだった

書き出すと、おお、もう…って感じです。 事業費が高すぎるんだ!っていう議論は、色々な計画が具体的に動き出す前である 平成30年がラストチャンスだったのだろうと思います。再開発が良い、悪いという 議論を交わすべきフェーズは、残念ながらもう終わってるんじゃないかなと思います。

こうした諸々の問題を解決する、スペシャルプランがあるなら別ですが…。

今日はJR芦屋駅南地区再開発事業調査特別委員会。 事前の日程調整がなく、いつの間にかスケジューリングされていた 会議ですが、欠席することなく全員参加していました。えらい。

今日のテーマ

さて、今日の内容は「広報番組についての調査」です。 芦屋市の広報番組である『あしやトライあんぐる』。 J:COMチャンネル(11ch)にて、月2回更新で放送されています。

ちなみに、J:COMチャンネル見られへんねんっていう人もいましたし、 バックナンバーの視聴ハードルがすさまじく高かったため、 YouTubeでも配信してもらうようにしています。

広報番組で「JR芦屋駅皆地区再開発事業に関する特集」を取り上げた件が問題に

2月後半分の特集として、「JR芦屋駅皆地区再開発事業に関する特集」が組まれているのが調査の発端です。 「放送内容が不適切」と市長に対して申し入れをした議員がおり、先日行われた建設公営企業常任委員会でも話題に取り上げられ、 かなり長い時間をかけてやり取りが行われていました。

彼らの主張の趣旨としては、以下のような感じだったでしょうか。

  • 議会で否決しているのに、広報番組に取り上げるのは公平性に欠けるのでないか?
  • 再開発予算が含まれる予算を審査している会期中に放送するのは配慮に欠けるのではないか?
  • 賛成意見に偏っているのではないか?
  • 議会が否決した背景を言わないのは公平性に欠けるのではないか?

個人的に思うこと

僕個人の意見としては、そうは思いませんでした。 本件、明確な基準はなく、「見た人の受け止め方」に左右されるものだと思います。 少なくとも、今日のやり取りを聞く限りはそう思いました。両論がありましたから。 なので、僕も個人の受け止めの範疇で書きます。

  • 議会で否決したのは単年度予算であり、事業そのものを否決しているわけではない。
    • 県で事業認可を受けており、関係条例を市議会が全会一致で可決している案件。広義の意味では現在進行形の事業であると考える。
  • 視聴者を誘導するような内容にはなっていなかった(ように感じた)
  • 「再開発どうなってるの?」と疑問に思う市民が多数いた
    • 報道で知るだけでなく、市としての報告が欲しいという声も多数あり。

どんな事業なん?のとっかかりとしては良かった

わずか10分ほどの特集内容ではありますが、 主だったアウトラインの部分は報じられていたように思います。

なんのこっちゃか全く分からなかった人にとっては、大いに参考になったと思います。 また、今回の放送を見て、「市の方向性は正しい」「議員が否決したのはおかしい」と結論付けられる人は少ないでしょう。わずかな時間でもあり、それほどの材料は提供されていないと思います。

広報媒体としては疑問が残る

ただ、広報番組って全員が見られるわけではありません。 YouTubeで配信されるようになって、視聴ハードルはぐっと下がったと思いますが、 高齢の方の中には、YouTubeのハードルが高いという人もいます。 J:COMチャンネルも地上波とは違うので、やはりちょっと難しいと思います。

JRの再開発は、市の事業でも特に広く知ってもらいたい案件

芦屋市において、JR芦屋駅は唯一無二の駅です。 市内に複数駅あるような大きな自治体におけるJRの駅とは位置づけが大きく違います。 シンボリックな施設であると言っても過言ではありません。 また、老若男女、全ての世代の方が何らかの形でご利用になる可能性が極めて高い施設でもあります。

視聴者を選ぶ広報番組よりも、全戸配布の広報紙の方が良かったのでは?

ということを考えると、再開発の件は広く市民に知ってもらう必要がある内容だと思っています。 広く市民に伝えるという観点では、視聴者を選ぶ広報番組では不足があると思います。

なので、全戸配布が基本である広報紙『広報あしや』において広報する必要があると思います。 指摘したところ、3月1日号にて特集記事を組むとのことです。

タイムラグ的に、諸々のやり取りを踏まえてつくったものではないですから、 もう一度同じことを繰り返すことになるような気がしないでもないですが…。

再開発についてのお問い合わせを多数いただいています。 再開発の経緯について、改めてまとめてみたいと思います。 議論の中では再三「財政」というキーワードが出てきました。 その辺も踏まえて書いてみます。

駅前再開発に関する大まかな流れ

全部の経緯ではなく、ポイントっぽいところを抜粋しています。 詳しくは、芦屋市のHPを参照してください

1946年5月 「都市計画道路駅前線」都市計画決定
1946年8月 「交通広場(駅前広場)」都市計画決定
1955年3月 「都市計画道路駅前広場東線及び西線」都市計画決定
1995年1月 「阪神・淡路大震災」発生
1998年6月 「JR芦屋駅南地区まちづくり研究会」設立
2001年12月 まちづくり事業着手の延期
2011年4月 第4次芦屋市総合計画開始、まちづくり計画検討の再開
2014年7月 「JR芦屋駅南地区まちづくり協議会」設立
2016年12月 JR芦屋駅南地区まちづくり基本計画策定
2017年3月 JR芦屋駅南地区第二種市街地再開発事業に関する都市計画決定告示
2018年5月 JR芦屋駅南地区第二種市街地再開発事業事業計画の決定公告
2018年6月 阪神間都市計画事業(芦屋国際文化住宅都市建設事業)第二種市街地再開発事業の施行に関する条例及び規則の制定
2020年5月 JR芦屋駅南地区第二種市街地再開発事業事業計画の変更告示

見ていただいたら分かる通り、非常に長い年月をかけて動いてきたプランになっています。 阪神・淡路大震災のあと、事業は一度延期しています。そして、2014年あたりから再び協議が始まり 現在に至る。そんなスケジュール感です。

なお、芦屋市の表だと和暦表記です。 和暦だと時間経過が分かりにくいので、分かりやすさを重視して 西暦表記をしています。

ここでのポイントは、再スタート後のお話になると思います。 というか、70年以上の前の話にまで遡るのはちょっと無理です。

再スタート後の流れと議会とのかかわり

2017年3月:JR芦屋駅南地区第二種市街地再開発事業に関する都市計画決定告示

2017年3月2日~16日までの間に案の縦覧を実施。 3月29日に芦屋市都市計画審議会の同意を得て3月31日に都市計画を決定しています。 議論の中では、都市計画決定と言われることが多い感じです。

これについては、議決事項ではありませんから 議会としては直接的にはかかわっていません。

2018年5月:JR芦屋駅南地区第二種市街地再開発事業事業計画の決定公告

市街地再開発事業の根拠法である都市再開発法では、 芦屋市が都市計画を決定したあとに「その計画通り事業を進めて良いですよ」 と兵庫県知事から認可してもらう必要があると定められています。

それがこれ。5月10日に県による事業認可が下り、5月30日に事業計画決定が行われています。

事業認可と事業計画決定については、県マターの話なので、 議会としてのかかわりは当然ありません。

2018年6月:阪神間都市計画事業(芦屋国際文化住宅都市建設事業)第二種市街地再開発事業の施行に関する条例及び規則の制定

平成30年第3回定例会(6月定例会)において、市長提出議案第51号「阪神間都市計画事業(芦屋国際文化住宅都市建設事業)第二種市街地再開発事業の施行に関する条例の制定について」 が提案され、全会一致で可決されています。

前の任期の話であり、今の市議会とは顔ぶれが違っています。 ですが、この時点においては再開発事業について反対をする議員はいなかったことを示しています。

改選によって顔ぶれは変わりましたが、僕を含めて続投している議員も多数います。 また、メンバーが違ったとしても、芦屋市議会として機関決定したことの意味は大きいです。 なので、基本的にはメンバーが変わっても以前に策定したルールは踏襲、遵守しています。

2020年3月:再開発関連予算の削減からの再議。都市再開発事業特別会計当初予算の否決

令和2年第1回定例会において、財政負担を理由として、再開発関連予算の削減が提案されました。 一度は修正案が可決されました。

その後開かれた令和2年第2回臨時会において、修正案は再議にかけられました。 再議の結果、修正案は否決。しかし、修正案の否決後に行われた原案の採決において、原案も否決。

令和2年度における再開発関連事業のお財布が取り上げられた格好になります。 行政は、予算に基づいて事業を進めることになりますので、こうなると事業は完全にストップします。

2020年4月:都市再開発事業特別会計の暫定予算が可決

令和2年第2回臨時会で否決された当初予算には、職員の人件費も含まれています。 これらが全て否決されたら、職員の給与が支払えなくなります。また、当該予算には 南側の再開発の話だけでなく、北側の管理のことも含まれているため、職員が最低限の業務を 行うための予算だけは、もらう必要があります。

これが、4月に行われた令和2年第3回臨時会において全会一致で可決されました。 ただ、駅南の再開発費用については未だ認められておらず、事業は進められない状況は続きます。

2020年6月:事業費削減のための検討費用としての暫定予算が可決

令和2年第4回定例会において、事業費削減を検討するための費用が欲しいとの提案がありました。 これについては、全会一致で可決されました。

再開発事業は、(議会から高すぎると指摘された)事業費を削減するというフェーズに入りました。

2020年12月:34億の事業費削減案が示されるも、再開発事業特別会計予算は再び否決

議会から、事業費削減を宿題としてもらっていた行政は、34億円ほどの削減案を提案しました。 令和2年第5回定例会では、修正を踏まえた予算案を提出しています。

宿題の結果としては、34億円の削減は十分及第点かなと思っていました。 が、今度はそもそも事業手法が悪いと言い出しました。 これまで、予算に対して否決の立場を取っている議員より、 「事業手法の変更を主眼に置き、計画を見直せ」という趣旨の予算の修正案が出されました。

この辺の話は、直近の記事でまとめていますのでご覧いただきたく。

態度を180度変えるほどの状況変化があったのか?

恐らく、多くの方が思っている疑念だと思います。 本来、反対派とされる12人の議員さんが説明すべきことだと思いますが、 僕も気になるので、ちょっと検証してみたいと思います。

事業費の話

事業費の推移としては、以下のように変動してきています。

2018年2月時点

  • 事業費
  • 再開発事業費用地・補償費68.7
    再開発ビル46.6
    道路5.9
    その他9.2
    関連事業費駅舎改良22.1
    ペデストリアンデッキ17.2
    地下駐輪場 16.5
    公益施設 9.5
    その他 1.7
    総事業費 197.4
  • 費用負担
  • 再開発事業市負担88.5
    国庫補助41.9
    関連事業市負担44.8
    国庫補助22.2
    合計 197.4

当初計画では、再開発ビルは芦屋市が建設する予定でした。 再開発ビルに含まれる保留床(マンション物件)の売却益(46.6億)が収入としてプラスされるため、 最終的な市負担額の見込み(再開発事業+関連事業)としては、86.7億と予想されています。

2020年2月時点

  • 事業費
  • 再開発事業費用地・補償費108.2
    再開発ビル74.6
    道路5.5
    その他12.3
    関連事業費駅舎改良15.8
    ペデストリアンデッキ15.0
    地下駐輪場 16.7
    公益施設 10.3
    総事業費 258.4
  • 費用負担
  • 再開発事業市負担99.1
    国庫補助44.1
    特定建築者負担57.4
    関連事業市負担41.3
    国庫補助16.5
    合計 258.4

2020年2月に示された際には、再開発ビルの建設費は特定建築者に担ってもらうプランになりました。 そのため、再開発ビルに含まれる保留床(マンション物件)の売却益がなくなり、 マンション部の土地の売却益(20.7億)が含まれることになります。

最終的な市負担額の見込み(再開発事業+関連事業)としては、119.7億と予想されています。

まあ、確かにこの時点では市負担額が23億円の増にはなっています。 保留床を滞りなく、売却できるという想定の上ですが。 市がつくった野暮ったいマンションを、ノウハウがない市が売り切れるの?というのはありますね。

ただ、市負担額がフルスペックで大きいというのは間違いないので、事業費削減が必要と言うのは共通認識です。 反対派の人がよく宣伝している「事業費が50億増えてる!」っていうのは明らかなミスリードですけど。 複数事業者で実施しているプロジェクトであり、芦屋市はその構成員である事業をとらえて、 総事業費で判断するのは間違ってる。

2020年12月時点(事業費縮減)

  • 事業費
  • 再開発事業費用地・補償費100.4
    再開発ビル72.2
    道路5.9
    その他8.6
    関連事業費駅舎改良15.8
    ペデストリアンデッキ9.4
    地下駐輪場 10.4
    公益施設 0.0
    総事業費 222.7
  • 費用負担
  • 再開発事業市負担91.5
    国庫補助39.4
    特定建築者負担56.2
    関連事業市負担25.5
    国庫補助10.1
    合計 222.7

マンション部の土地の売却益(18.0億)が含まれるので、 最終的な市負担額の見込み(再開発事業+関連事業)としては、99億と予想されています。

全部並べてみる

  • 事業費
  •  2018年2月2020年2月2020年12月
    (事業費削減)
    再開発事業費用地・補償費68.7108.2100.4
    再開発ビル46.674.672.2
    道路5.95.55.9
    その他9.212.38.6
    関連事業費駅舎改良22.115.815.8
    ペデストリアンデッキ17.215.09.4
    地下駐輪場 16.516.710.4
    公益施設 9.510.30.0
    その他 1.710.30.0
    総事業費 197.4258.4222.7
  • 費用負担
  •  2018年2月2020年2月2020年12月
    (事業費削減)
    再開発事業市負担88.599.191.5
    国庫補助41.944.139.4
    特定建築者負担0.057.456.2
    関連事業市負担44.841.325.5
    国庫補助22.216.510.1
    合計 197.4258.4222.7

確かに、事業総額としては2018年2月⇒2020年12月で25.3億の増だけど、 市負担額としては2018年2月⇒2020年12月で3億の増に留まります。 保留床処分額を含めると、12.3億の増。

本件、複数事業者がかかわっているプロジェクトです。 費用負担もそれぞれにあるわけですから、芦屋市が事業費全体のことを考える必要はないと思います。 プロジェクトにかかわる事業者の一つである芦屋市としては、市負担額を見れば良い。

市負担額も確かに増えてるけど、判断を180度ひっくり返すだけの増だとは思えません。 少なくとも、動き出しているプロジェクトを止める材料でないことは間違いない。 止めることによって生じるリスクを相殺できるだけのものではないと思います。

しかし、なぜ事業費の総額だけをしきりにアピールするんでしょうか。 本質は市負担額であるはずなのに。あれかな。市負担額だと増額幅が小さいから 話を見聞きした人のインパクトが小さいってことかな。

財政見込みの話

芦屋市の10年間の財政状況をはかるための指標として、長期財政収支見込みというのがあります。 計画されている工事などをすべて機械的に計上し、今後10年の歳出のボリュームを見るというものです。 毎年2月に公開されていますが、反対派の人の話を総合すると、これが一つの発端なのかなと。

長期財政収支見込み(芦屋市)

当たり前の話ですが、年を経るごとに「10年後」が1年進みます。 厳密には比較できないんですが、「10年後」の基金(貯金)残高がどのように 推移するかを見てみたいと思います。単位は億円です。

収支見込み作成年10年後の年基金残高(億円)
2015年2月2024年61
2016年2月2025年24
2017年2月2026年19
2018年2月2027年33
2019年2月2028年4
2020年2月2029年-9

グラフで見ると、こんな感じ。

アセット 1@3x

2019年2月の時点で状況が一変しているように見えます。 僕としては、2019年時点で危機感を持っており、選挙においては歳入確保・歳出削減をしないといけない。 自治体間競争になることは明白であり、自らの競争力を削ぐことに繋がるサービスを削る削減じゃなくて、 無駄を削る削減。仕事のやり方から見直していかないとと主張したつもり。

再開発終了を主張する人は「基金がマイナスになる」事象を捉えて問題だと言います。 違うでしょ。事象が問題なんじゃなく、前年度に対する下げ幅が問題だろということです。 基金残高4億円の時点でやばいよ。明らかに潮目が変わってきている2019年の時点で問題は始まっていると言うべき。

2020年2月に急変したというのは違うでしょと思います。 2019年にやばいと言い出すならわかるけど、2020年になって急に言い出すのはどうでしょうか。 前から思ってたんなら、もっと早く言ってよ。早ければ早いほど、リスクも小さくなるんだから。

そもそも、長期財政収支見込みの信憑性は?

「見込み」と付いているとおり、「見込み」です。 しかも、予定されている工事を「これぐらいやろ」見込みで積み上げているものです。 当然、実績と比較すると乖離します。基金残高についての予実乖離を見てみます。

 H27時点見込み決算時実績予実乖離
平成28年5315198
平成29年5412672
平成30年6012767
令和元年6313067

残念ながら、かなり上振れしています。 でもこれは職員がけしからんということではなく、職員の努力によるコスト削減。 芦屋市民のパワーによる市民税の増などが影響しているものです。

芦屋の場合、市税の主収入は明らかに市民税です。 法人税に依存する場合、コロナ禍などの業績を左右する外的要因に左右されますが、 市民税の場合は比較的安定します。徴収猶予による一時的な落ち込みはあるかもしれませんが、 向こう何年もその状況が続くとは考えにくいという性質があります。

芦屋の場合、駅周辺のマンション価格はドエライ金額です。 僕が一生かかっても住めないようなマンションが売れていますし 新たにドンドン建設されています。えっ、またできるの?って驚くことが多いです。

事実、駅南に建設中の某高級マンション。億を超えていますが完売しています。 僕の収入からは想像もつかない世界の話ですが、今もなお、市場から見ると芦屋市は魅力的な街なのだろうと思います。

そうしたことを踏まえると、果たして、長期財政収支見込みで危険側になったとて、 見込みのまんま行くとは言い難いものがあるのだろうと思います。

関係事業者や地権者に多大な迷惑をかけ、訴訟リスクや違約金のリスクを飲み込んでもなお、 ストップをかけるべきだ!という判断をさせるほどのものではないのではないか?と思います。

2019年に財政問題を取り上げた人は?

ちなみに、2019年はどうだったのか振り返っておきます。 再開発を止めろという議論はもちろん、財政に関する危機感から発される議論は 極めて少なかったと記憶しています。

その最たる例が2019年12月議会において、賛成多数で可決された 第81号議案「芦屋市議会議員の議員報酬及び費用弁償等に関する条例等の一部を改正する条例の制定について」

人事院勧告に基づき、議員の期末手当(ボーナス)をアップするという内容です。 アップされる金額は比べ物になりませんが、財政に対する受け止め方の問題ですね。 財政がホンマに厳しいぞって思ってるなら、アップなんて言えないはず。

第4回(12月)定例会 審議結果一覧

自分の報酬はアップするけど、市民の利益に資する事業はお金を理由にストップするなんて、 市民感覚としては到底受け入れられるものではありません。

10年後には基金残高4億円にまで減りますよと言われておきながら、華麗にスルー。 ですが、その翌年、基金がゼロを割ると言われたら急にやばいよやばいよーと言い出す。 素晴らしい財政感覚ですね。

新型コロナでバクっとした不安があるのは分かるが…

個人的な意見として。この間の議会の態度の急変については合理的な説明がないと思います。 説明なんて言わずもがな。というシチュエーションであればまだしも、今はそこまでの劇的変化はないと思います。事業費のことも財政のこともそうです。

以前、事業延期をしたときのように、計画策定段階においてはまだ理解できます。 しかし、駅舎工事がスタートしたり、地権者との売買交渉が始まっていたりと 具体的にお金が発生している状況下においては、よほどの状況の変化がない限りは 前に進むしかないのは、誰が考えても明らかなことだと思います。

止めるリスクが大きすぎるため、判断の対立軸が既に変わっている

前にも書きましたが、本件は既に事業判断の対立軸が変わっています。 「事業をやめてお金を残すか」VS「お金をかけて事業を進め、課題解決するか」という対立軸なら 賛否があるのは分かります。

今は「事業をやめてお金を支払うか」VS「お金をかけて事業を進め、課題解決するか」の対立軸だと思います。 正直、判断する価値もないほどに明らか。より損をしないような判断をすることを考えると、前者を選択する価値はゼロです。

進行中の事業を止める提案をするならば、リスク対策も含めた提案をして然るべき

民間でお仕事をされている方なら、今般の芦屋市議会の判断が 「ヤバイ」ことであることはご理解いただけると思います。

そうした状況である以上、主観的・感情的な根拠だけを示すのではなく、 数値を伴った合理的な理由を説明する必要があると思います。

リスク対策はどうするのか?という問いについて、彼らは「それを考えるのは市当局の責任だ」と言います。当局側の判断で生じるリスクについては、当然市当局が考える必要があるでしょう。 しかし、既に動き出している事業を市議会が止めろと提案しています。

提案する際には、その行動を取る上で生じるリスクについて、「可能性の話だし、知らん」では困ります。重大な経営判断を伴う提案をしたいというのであれば、それぐらいのことは考えておくのが当たり前です。リスクへのケアを全く考えない提案をまともに議論する会社がないように、現状においては、あまりにも短絡的な提案であると指摘せざるを得ないと思います。

やはり、提案理由は分からない

色々と書きました。止めるにしても、多大なリスクを伴うことになります。それでも止めなければならない合理的な根拠。数字を見る限り、そらそうだ!と太鼓判を押せるものはないと思いました。でもこれはあくまで僕の意見、市民の皆さんがどのように考えるか?だと思います。

本件については、議論したいところでもありますので、疑問があれば、いつでもご連絡下さい。

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