2026年2月19日に行われた民生文教常任委員会の所管事務調査にて「中学校の部活動について」という報告を受けています。当初、当局からは「報告することはない」とされていましたが、委員会が調査の必要性を主張し、調査に至りました。結果として1時間程度の議論となり、有意義な調査が行われました。ここでは、委員会を聞いた上で感じている懸念点について整理します。

速報記事はこちら。

民生文教常任委員会速報(高齢者バス助成見直し・部活動地域移行など)

中学校部活の位置づけ

公立中学校における部活動は、学校教育法に定められた教育課程ではありません。しかし長年にわたり、教育に準じるものとして扱われ、学校の中で大切に育まれてきました。

それは単なる競技の場としてだけでなく、以下のような要素を持ちながら機能してきた側面があります。

  • 仲間との関係を学ぶ場
  • 自己肯定感を育む場
  • とりあえず所属できる居場所

地域移行には、専門的な指導や種目の多様化、教員負担の軽減といった前向きな側面があります。その点は評価すべきだとは思います。

しかし、具体的な制度設計が見えてきた今、いくつかのリスクが十分に整理されているのか、疑問を感じています。

費用と応募構造の問題

いずれのクラブにおいても、基本的には月会費という固定負担が発生することがわかっています。民間のいわゆる「習い事」と比較して、法外な金額であるとは言いません。むしろ良心的な金額設定なのだろうと思います。しかし問題はその金額の多寡ではなく、これまで行われてきた部活動の代替として妥当なのかという点です。

固定費の発生や自主応募制という仕組みに変わることで、以下のような生徒が活動する機会を失う可能性があります。

  • 積極的に動けない生徒
  • 経済的に余裕のない家庭の生徒

「必ずそうなる」と断じるものではありません。しかし、その可能性を十分に議論しないまま進めることには違和感があります。

また、途中退会時の費用負担も論点となります。「せっかく払ってきたのに」ということが障害となる可能性があります。「始めやすさ」だけでなく「やめやすさ」も制度設計の重要な要素であると思います。

定員と持続可能性

地域クラブには定員があります。希望しても入れない生徒が出る可能性があります。さらに、民間主体である以上、生徒が集まらなければ撤退という判断も起こり得ます。

その場合、子どもたちの活動の継続性はどう担保されるのでしょうか。

従来の部活動は校長の管理下にあり、一定の統制と継続性が担保されていました。地域移行後は、その構造が大きく変わります。

講師の選定と監督体制

未成年を継続的に預かる以上、講師の選定と監督体制は制度として担保されるべきです。

教員には、採用・任用・管理監督という複数のチェック機能があります。外部講師についても同様に、以下のような仕組みが必要だろうと考えます。

  • 適格性の確認
  • 責任の所在の明確化
  • 通報や対応ルートの整備

善意に依存する設計であってはなりません。何らかの問題が起こってからでは遅いです。これは感情論ではなく、リスクマネジメントの観点からの意見です。

立ち止まって考えるべきではないか

地域移行そのものを否定するものではありません。しかし本件は、リスクマネジメントの設計が十分とは言い難いと感じています。

思春期という繊細な時期の子どもを預かる制度です。万が一の事態が子どもに長期的な影響を及ぼす可能性も踏まえ、過剰と思われるほど慎重な設計が必要ではないでしょうか。

公立学校の取り組みである以上、一部の生徒にとっての前進が別の生徒にとっての後退であってはならないはずです。

この改革を本当の前進にするためにも、いま一度、足元の設計に立ち止まって向き合うべきではないでしょうか。

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