今日はインプットの日。日本公認会計士協会兵庫会主催による『自治体会計・自治体監査研修会』に参加しました。13~17時で、以下の二本立ての研修を受講。
- 総合計画と行政評価-政策立案と評価指標設定の考え方
- 議選監査委員の在り方を考える
特に、グループディスカッションがあった議選監査の話が印象的でした。議員さんと議会事務局、監査事務局の方が集まったテーブルで、何ならもっと長く喋りたいけど…ぐらいに盛り上がりました。
個人的にも課題意識を持っている領域でもありますので、議選監査について書いておきたいと思います。
地方自治体の監査委員について
地方自治体の監査委員は地方自治法第195条にて規定されています。監査委員の人数は条例で変更することが可能ですが、市町村については2名と規定されています。
2名の内訳については同法第196条で規定されており、いわゆる識見委員と議会から選出される議選監査委員の2名となっています。
第百九十五条 普通地方公共団体に監査委員を置く。② 監査委員の定数は、都道府県及び政令で定める市にあつては四人とし、その他の市及び町村にあつては二人とする。ただし、条例でその定数を増加することができる。第百九十六条 監査委員は、普通地方公共団体の長が、議会の同意を得て、人格が高潔で、普通地方公共団体の財務管理、事業の経営管理その他行政運営に関し優れた識見を有する者(議員である者を除く。以下この款において「識見を有する者」という。)及び議員のうちから、これを選任する。ただし、条例で議員のうちから監査委員を選任しないことができる。
芦屋市の監査委員は、識見委員である代表監査委員と議会から選出される議選監査委員の2名で構成されています。識見委員さんは、会計の識見をお持ちの公認会計士の方にお願いすることが多いみたいですが、芦屋市では僕が知る限りは弁護士の方が識見委員として活動してくれています。
議選監査委員の廃止
各議会において話題になるのは議選監査委員です。上述の地方自治法第196条に「ただし、条例で議員のうちから監査委員を選任しないことができる。」という規定があります。要するに、条例で議選監査委員を廃止している自治体もあります。
廃止されている背景は、恐らく議選監査委員は別途報酬が支払われる名誉職的な要素を持っているからだと思います。
能力とやる気のある議員が議選監査委員になるなら、有効に機能すると思いますが、そうじゃない人が選ばれた場合、正直いらないよねっていう話になります。
芦屋市は決定スキームが良くない
議選監査委員の場合、財務や会計の知識は必須とされていません。そういうところは識見委員が担当します。逆に言うと、識見委員は数字を見るのには長けているものの、行政事務やその経緯経過については当然疎いです。そういうところを補うのが議選監査委員だろうと思います。
他にも、調査や勉強による引き出しが多く、行政に対してもちゃんとモノを言える人。要は議員としてしっかりと責務を果たせている人が望ましいと思います。
芦屋市議会にも、傍目から見て「監査委員にふさわしいんじゃないか」という議員はいます。しかし、そういう議員が優先的に選ばれている訳ではない事情があります。
芦屋市においては、監査委員は4役という形で位置付けられており、会派間での調整の対象になっているポストです。個人ではなく会派で割り当てられて、人選は会派の中で…みたいな感じです。別に名誉職でもない(実際、拘束時間は長くめっちゃ忙しい)ものですし、会派で貰う貰わないというものではないと思ってます。正副議長もそうなんですが、会派の調整云々じゃなくて、「この人なら適任だな」適任の人が選ばれるような形であってほしいです。しっかりと監査の役割を果たすためにはそうあるべき。
まあ本当は議員の判断の責任や能力向上を考えると会派制なんて別に無くても良いんですけどねぇ。
任期1年は短すぎる
後は任期ですね。芦屋市は原則1年で交代です。ですが、各所管を順番に監査していく定期監査は大体2年間で一周するそうです。それを考えると、最低でも2年は継続してやるべきじゃないのかなと思います。同じ議選だったとしても、こっちの所管はA議員。あっちの所管はB議員と、同じ周期の監査を別人が行うのは何かおかしい。監査委員は議員の教育のためのポストでもないし、箔をつけるためのポストでもないです。議選監査を維持するならば、ちゃんと機能させるための工夫が必要だと思います。
議選監査委員の役割とは
僕は普通に議選監査委員は必要だと思ってます。
というのも、監査委員の立て付けが良くないから。執行機関とは独立した機関であるとされておりながら、実際には執行機関の中に位置づけられている組織です。任命権者も市長です。
行政機構図監査は独立性が重要でもあります。今日出た話では、監査事務局そのものを議会に編入してはどうか?という話題も出てきました。これは今すぐどうこうできるものでもないと思いますが、あるべき姿として、より適切に監査を行うという観点での見つめ直しが必要になるのではないかと感じました。
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