今日は本会議。以下の議事を行っています。
- 市長提出議案、請願の採決
- 新たな市長提出議案の提案、委員会付託
- 民生文教常任委員会での審査
- 総務常任委員会での審査
- 新たな市長提出議案の採決
- 議員提出議案の提案、採決
もりだくさんです。長くなると思ってましたが、やっぱり長かったです。
議案書はこちら。
議案、請願については第88号議案を除き可決(請願は採択と言いますが)となりました。大きく賛否が割れた議案もあります。各議員の判断の詳細はこちら。
選択的夫婦別姓制度に関する意見書
委員会のときにも書いていますが、会派で賛否が割れています。本件、国政マターであるということと、個人の思想に基づく判断であることもあり会派拘束はかけていません。なので、あくまで各議員の個人の判断で賛否を出していることを予め断っておきます。
総務常任委員会。選択的夫婦別姓の導入を求める意見書は不採択にすべきとなる
選択肢がなく苦しんでいる人に選択肢を示すべき。賛成する理由はそれだけ
基本的には委員会のときのブログ記事に書いてあるとおり「現状、婚姻についての両者の合意があるにも関わらず、長く親しんでいる名前というアイデンティティを守りたいがために、婚姻届けを出せずにいる困っているカップルがいる」というのが全てです。アイデンティティを守りたいと主張する権利は基本的人権として誰にでも与えられているものです。
婚姻の条件を満たしておきながら、制度上の不備のために公に婚姻状態を認められない状況は人権侵害と言われても仕方がない。現状のルールだと、同姓であれば夫の姓でも妻の姓でもOKとされています。しかし、実際には9割近いカップルが夫の姓となっています。国連の勧告のように、女性差別を孕んでいるという観点はあると思います。
旧姓併記で良いじゃないか、法根拠を与えたら良いじゃないかっていう論があるのは知ってます。でも、それはグローバルスタンダードからは程遠い。今の日本は鎖国してるんじゃなくて、グローバルの中の1国としての立ち位置であり、多くの国民がグローバルで活躍しています。はっきり言って、そんな改正は問題を抜本から解決するものではありません。女性差別だと勧告している国連の納得も得られないでしょう。
別姓を強制するものではなく、全ての人が婚姻できる選択肢を設けるということ
別姓を強制するということであれば、今度は「同姓でありたい」と希望する人の権利を阻害することになります。ですが今言われているのは「選択」です。同姓が良い人は同姓で良いし、別姓が良い人は別姓で良い。今は、両者の合意があるにもかかわらず法律婚を諦めざるを得ない人がいる。そうした人たちの権利を守るためにも選択肢を設けようという話をしている訳です。
同性婚もそうですが、僕は婚姻においては「両者の合意」が最も重要だと思っています。今日の討論でもありましたが、法律は国民の人権を侵害するためにあるんじゃないです。婚姻の条件を満たしているのは、法律婚をしている人たちと何ら変わりありません。ただ、「自らのアイデンティティを守りたい」と主張しているにすぎません。であるにも関わらず、婚姻関係を公に認めないのはあまりにも酷い有様です。
何より守るべきは国民の人権
家庭のあり方の話がありました。そんなもん、国や他人がどうこう言う話じゃない。それぞれの家庭で、それぞれの家庭のあり方があります。当事者同士で話し合えばいいだけのこと。子どもの姓にしたって、やはり家庭で話し合うこと。「やっぱりこっちの姓が良い」と子どもが思うならば、成人後に家庭裁判所に申し出れば改姓することも可能です。
日本として築いてきた良いものは残していけばいいです。でもそれは、国民が国民らしく生きられる。国民一人一人の人権が守られるという前提の上です。昔からのものを残すことにこだわることで苦しんでいる人がいる現状を見ないふりをして、その人たちが悪いと言わんばかりに「我慢したらええねん」と強制するのは、政治に携わるものとしては納得しかねます。皆がハッピーになれる国をつくるのが僕らの使命です。
市議会議員の期末手当について
期末手当は、慣例によって人事院勧告に準じて決められている
芦屋市は人事院に類する機関を持ちません。よって、地方公務員については国家公務員と民間の給与比較を行う人事院勧告に準ずることで官民格差を是正するというスキームとなっています。
そして非常勤の特別職公務員である市議会議員の期末手当については「一般職職員に準じて」決めています。なお月額報酬については、特別職等報酬審議会に諮問しその答申をもとに決められます。
ただし「人事院勧告に準ずる必要がある」という法根拠はありません。あくまで慣例です。市内の状況を踏まえた上で判断する主体性があるものです。
今回は、一般職職員に準じて0.1か月分の期末手当加算を行うという条例案でした。
常勤特別職は「人事院勧告に準じない」判断をしている
特別職公務員は議員の他に市長・副市長・教育長・病院事業管理者があります。議員が「非常勤の」特別職であるのに対し、市長以下のポストは「常勤の」特別職という位置づけになります。
慣例では、常勤特別職の期末手当についても人事院勧告に準じて変えられていました。ですが、昨年度同様、今年度も「人事院勧告には準じない」つまりは「期末手当は据え置き」という判断をされています。
現在、特別職等報酬審議会を諮問している状況で、まだ答申が出ていない状況下で特別職の期末手当を変えるのは問題があるという理由から来る判断だとのことですが、結果としては「人事院勧告に準じていない」状況です。
それはつまり、非常勤特別職である議員と常勤特別職である市長・副市長・教育長・病院事業管理者との間で期末手当の割合に差が生じる状況を生み出しています。
厳しい生活を強いられている市民がいる中で、率先して上げるべきではない
0.1か月増となると、金額としては以下のように変動します。
月額報酬 | 算定基礎額(報酬×120%) | 引き上げ額 | 人数 | 合計 | |
---|---|---|---|---|---|
議長 | 737,000 | 884,400 | 88,440 | 1 | 88,440 |
副議長 | 653,000 | 783,600 | 78,360 | 1 | 78,360 |
議員 | 591,000 | 709,200 | 70,920 | 19 | 1,347,480 |
合計 | 1,514,280 |
昨今、物価の高騰が収まる気配がないのは誰もが理解するところだと思います。結果、依然として厳しい生活を強いられている市民がたくさんいます。そんな中、市議会議員が率先して引き上げるというのは順番が違います。引き上げをするならば、市民の暮らしが改善した後であるべきです。
加えて、今日は第90号議案にて物価高騰重点支援給付金支給事業として「低所得世帯(住民税均等割非課税世帯)に対して、1世帯当たり3万円を給付する」という補正予算を可決しています。
「低所得世帯には3万円支給します!嬉しいやろ?」と言いながら、自分たちはその倍以上の7万円以上の額をちゃっかり引き上げますんでーっていうのはやはりおかしいです。
否決することができた
今回は前年度同様に至誠会、共産党、山口議員、維新が反対。今年度は何と10対9という超僅差で反対意見が多くなり、議案は否決されました。条例改正はなかったことになりますので、期末手当は据え置きとなります。
結果、150万円程度の税投資を節約することができました。予算総額からすると、軽微な金額です。ですが、議員の判断によって生まれた財源とも言えます。これを何かの事業に転嫁というのは難しいかもしれませんが、慣例をぶち破る前例として生かしていきたいものです。
コメント
コメント一覧 (2)
自民党内部でも賛否両論で着地はどちらかわからないと思います。公明党が賛成に回ったと報道されています。
そうです。総務常任委員会は委員構成の都合で本会議とは賛否が逆転しました。各会派から一人という構成ではないために、本会議との逆転現象はしばしば生じます。
昨今の世論を鑑みて、夫婦同姓を強制する現状の制度で行くとは考えにくいです。ただ、一部で声がある旧姓併記っていうのは、どれだけ法的効力を持たせたとしても所詮はガラパゴス。旧姓はグローバルスタンダードでもなんでもなく、別姓を希望する人が抱えている実害の完全解決とは程遠いです。やはり、選択的夫婦別姓が適当だと思います。