今日は建設公営企業常任委員会。昨日の一般質問でもあった道路公園施設包括管理業務委託についての所管事務調査です。
以前の建設公営企業常任委員会において、落選した事業者からの企画提案書を資料請求していました。今日はその資料が出てきたので、その調査という位置づけです。
なお、昨日も書いたように本件、住民監査請求が出されています。同委員会には議選監査委員である中島議員が参加しています。中島議員は、監査請求が出ている案件についての調査には加わらないことになりました。
次点事業者の協力会社等は黒塗り
協力会社名やJVの構成企業については黒塗りで出てきています。僕は黒塗り前の資料を見ているんですが、実際には具体的な企業名が記載されています。
黒塗りにしている理由は、情報公開条例に照らして今後の競争に対して支障をきたさないためにも構成企業名については黒塗りにしているとのこと。基本的に、選定されていない業者については名前等を公開しない対応をしているそうです。
まあその理屈は分かるんですけども、今、この時点で住民監査請求が出ているほど疑義が生じている状況です。可能な限りでの透明性向上が求められている状況だと思いますよ。
また、今回の評価で疑義に拍車をかけているのは、職員を中心とした選定が行われたということです。指定管理者選定については、市職員は入らずに、外部委員(学識経験者など)のみで構成される選定委員会において選定されます。
選定を受けた事業者が絶対的に優位だったとかならまだしも、これだけ拮抗した点差で決定し、かつ住民監査請求が出ている状況下です。これらを踏まえると、やはり今回の選定体制は透明性に欠ける対応だったと思います。市としては、説明を尽くす必要がありますし、これからの対応は考えるべきです。
選定事業者の事業実現性の担保
笠谷工務店の企画提案書には、「(社)日本造園建設業協会が定める街路樹剪定士の資格所有者を常駐させる」との記載があります。選定委員会として、この部分の実現性についても確認はしておらず、ヒアリングの中では、市内の全ての事業者に対して協力要請を求めるつもりであることを聴き取っているとの答弁がありました。ただ、有資格者が揃っていないと事業実施ができません。現段階では協力表明をいただいていない状況ですから担保がない。企業からの協力表明書を担保として求めることはできないのか?という意見がありました。
根本的な話として、道路公園街路樹の維持管理が滞ると市民は大いに困る訳なんですね。市民生活に直結する話。
そして、市内事業者は基本的に芦屋市が拠点で移転とかしないんですよ。市内に根を張ってやられている企業なんですね。今回受注しようがしまいが、これからのまちづくりや災害発生時の協力は必要不可欠です。
造園業の皆さんとの大きな禍根を残してしまうのは、これからのまちづくりにとってマイナスです。ひいては市民にとってもマイナスになりました。
市内事業者の利用
街路樹業務について、やむなく市外業者を使うことになった場合、市として認めるのか?という質疑がありました。市民サービスの低下を招くことになるならば、それは認めざるを得ないとの答弁。
うーん。企画提案書には、8割の市内事業者を使いますという提案になっています。それを受けて、市として採点をしています。それができませんわってことになると、採点が間違っていたということになります。市内事業者活用の不透明さを加味しても笠谷工務店JVが圧倒的な点差で勝ち取っているのであればまだしも、たった13点差です。市内事業者活用に対する配点が下がると、選定事業者は入れ替わります。
ここはすごく大事なところだと思っているので、担保は当然必要になると思います。僕が選定する場合、4月から始まる事業ですから「12月時点でまだ未定ですけどこれから頑張ります」っていう提案はまあ選びません。そういうのをまとめてパッケージングしたものを出してくるのがプロポーザルでしょうに。体制整わず、スタートできませんとなると大変な責任問題になりますよ。
選定の決め手
市が重要視しているのは全体の仕事の差配。マネジメントの部分が一番大事だと考えている。そこの部分が笠谷の方が優れていたと判断した。との答弁がありました。
マネジメントが大事っていうのも分かるんですが、それ一本やりっていうのもね。市民目線で言うと「丁寧な仕事をしてくれる」というところが一番ありがたいんですよ。街路樹の剪定なんかは特に、技術力というか職人さんの考え方に大きく左右されます。切りすぎる剪定は樹木を殺してしまいますからね。
個人的に、以下のように重んじるべきところは複数あると思ってます。
- 費用
- 現場での仕事の質
- マネジメント
- 市民からの苦情対応等
ただやはり、これらの要素は「実現性がある」というのが大前提。そういうことを考えると、提案に具体性がなかった笠谷工務店JVに全幅の信頼を寄せるのは困難というのが個人的見解です。
担保を求めたいという委員の主張はごもっともです。
選定基準の見直し
市内事業者を使うことに対する配点が高すぎるのはどうなんだ?という意見がありました。まあ一般論としては分からなくもない。隣の市まで車で何時間もかかるという過疎地ではありませんから。
でも、本件はもう公募かけて選定結果が出ています。公募は芦屋市がつくった仕様書があって、採点基準が先にある。そのうえで、それに承知した事業者が提案を出しているものです。そもそも市内事業者を使うことに重きを置くのはどうなんだ?っていうのは今このタイミングで言う話?しかも、選定されている笠谷工務店JVの方が提案書の中で「市内事業者を8割以上使う」ということを謳ってるんですよ。それで、そこも一定評価を受けて選定されています。
公募の選定基準の話として、市内優遇はどうなのか?という話は公募にかける前段階で提起すべきことだと思います。そのうえで、ちゃんと議論して決めたら良いと思います。議論の余地が全くないとは言わないので提起そのものの否定はしないけど、今このタイミングでの提起は否定します。
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