今日から衆議院議員の総選挙が始まりました。市議会議員としては、自分の活動があまりできないのはモヤモヤします。ただでさえ、9月定例会と12月定例会の間の閉会期間は短いのに…。

ポスターを貼って回る前時代的なアナログ対応

さて、初日なのでポスターを貼りに行きました。36か所。他の陣営の人に話すと「多い!」と驚かれました。兵庫の維新は基本人手不足なので、これぐらいはザラ、むしろ少ないぐらいっていう…。

芦屋は例年通りだと153か所です。西宮は800か所以上あります。芦屋は少数でやっても1日あれば貼り切れますが、西宮は少数では難しい。のっけから、大勢の人を集めて人海戦術しないといけません。今の選挙制度だと、ポスターを貼るだけでも大変です。

国会議員になりたいという人ならば、それぐらいの人員は集めなさいよって話かもしれませんが、集まってくれる現役世代の人は皆さんお仕事をお持ちです。ポスター貼りは選挙活動ではなく「単純労務」と取り扱われるため、報酬を支払うことも可能です。ですが、お仕事を休んでもらうというのは、それだけでも大変な負担です。あ、僕は無償です…。

ところで、デジタル化やペーパーレスが叫ばれているこの時代において、いつまでこのシステムをやるんでしょうか。デジタルサイネージは色々課題はあるかもしれませんが、人海戦術で何枚ものポスターを掲示して回るというのはあまりにも非効率だし、資源の無駄遣いです。ポスターの作成費用は公費負担になります。今回の選挙だけで一体いくらの公費が必要になるんでしょうか。何も考えずに機械的にやってますが、このポスターが投票行動を促す訴求効果ってどれぐらいあるんでしょうね。

選挙はがき。これこそ無駄では…

選挙はがきって届いたことありますか?僕がこの仕事をしているので、僕や家族、友人知人はちゃんと置いといて「来てたよ」と教えてくれます。でも、僕が一市民の時はろくに見ずに捨ててました(笑)

衆議院議員の選挙(小選挙区)の場合、なんと35500枚ものはがきを郵送することができます。はがきの作成費は候補者負担ですが、送料は公費です。はがきの送料も値上げされました。送料だけでもものすごい公費負担になります。

僕はこれ、2000枚をノルマと課されています。ラベルに印刷するにしても、はがきに直接印刷するにしても途方もない手間がかかります。35500枚だったら、もう間に合わないぐらいになるでしょうね。

こんなにコストと時間を要して送っているはがきですが、普通の市民の人にはポイっとされるものです。全戸配布するならまだしも、兵庫7区の前回総選挙における当日有権者数は西宮が361,711人と芦屋が80,050人。合計で441,761人ですから、10%にも満たない人に送り付けるだけのものになっています。

これこそ、本当に効果が懐疑的なんですね。投票意思がある人に対して「忘れないでね」という効果はあるでしょうけども、投票意思がない人に投票を促すほどの情報は書かれていませんし。

選挙はがきに必要な名簿という話も、一つの大きなハードルになってしまっています。個人情報に気を付けなければならない時代でもありますし、コストに対して効果の低い選挙はがきについては、廃止の方向で公選法を改正してもらいたいです。

8時~20時は長いと思う

拡声器を用いての街頭演説が可能なのは、選挙期間中の8時~20時。平日はまだしも、土日の朝8時って多くの方がゆっくりされている時間帯なのではないでしょうか。夜の20時も、夕食を食べ終えてゆっくりされている時間帯だと思います。個人的には、そんな時間に住宅地に入っていって大きな声で演説するのには抵抗感があります。

在宅勤務で仕事中の方や、育児中(特に子どもが寝付いてすぐの時間)の方、病気療養中の方や夜勤明けの方からすると、迷惑なんじゃないかなと思います。特に国政選挙などの大きな選挙となると、普段から司会業などしているプロもしくはセミプロの方がウグイス(この呼び方はどうなんだろうか)をしています。よく声が通ります。

住民の住環境への影響もそうですし、各陣営の人員確保のこともあります。選挙活動可能な時間を10時~18時とかに短縮しても良いのになと思います。多分、こういう公約を掲げる政党があれば、相応に票を集めるのではないでしょうか。

こういう昭和スタイルな選挙も見直されるべきだろうと思いますが、アップデートされません。現行ルールにおいて、大きな音響機器を移動させられる街宣車の存在意義は大きいため、車なしで活動というのは厳しいです。なので、街宣車を使いませんという自己ルールは、勝負するに当たってはかなりの逆風になります。だから、公選法の方でその辺は見直してほしいです。

ちなみに、2024年2月に行われた茨城県の守谷市議選においては、市議会での事前申合せにて8時~9時、18時~20時プラス昼休み1時間の計4時間は拡声器を使わないという申合せをしたそうです。もちろん、法的拘束力はないんですが、住環境のことを鑑みても、芦屋市でもそうした申合せができればいいなと思います。

選挙運動「連呼行為」に市民から苦情、4時間短縮で市議会申し合わせ(読売新聞オンライン)