今日はJR芦屋駅南地区再開発事業調査特別委員会。

資料はこちら。細かい数字とかあるので、詳しくは資料をご覧ください。

金額の話

令和3年5月⇒令和4年2月の間で、金額は増えました(総事業費167.8億円⇒170.4億円) しかし、市負担額でいうと5000万円ほどの増。国庫補助に依存するところは大きいものの、 市としての努力が表れているとの答弁がありました。

本件、なんか総事業費で論じられることも多いです。 本事業は、バクっというと以下の4パターンの出費となります。

  • 特定建築者(デベロッパ)
  • 芦屋市
  • 国庫補助
  • 保留床などの土地売却費

確かに国庫補助金の原資は税金です。と言いつつも、国庫補助も含めて 金額が高い!というのはちょっとどうなんだろう?とずっと思っています。 国庫補助を受けて実施する事業というのはとても多いです。

芦屋市だけで進める事業でもないですから、第一義的に見るべきは 総事業費ではなくて、市負担額だと思います。

国庫補助は必要なものにしか交付されない

また、国庫補助は国が特定の事務事業の実施を奨励・助長するために交付するもの。 何でもかんでも出てくるものではなくて、やはり、進めてくれると国にとってもプラスになる投資だよね という事業に対して支払われます。

老若男女ありとあらゆる市民が利用する道路において、交通事故が多発しているというのは有り得ない状況です。 たくさんの人が利用することを鑑みると、いつ死亡事故が起きてもおかしくない。 いわば、喫緊の課題です。

喫緊の課題を解決するための手段である再開発事業は、 国にも県にも認められた真っ当なビジネススキームです。 当然、必要な投資であろうと思います。

将来への備え?

将来が不安だからっていう話もあったような。 投資的事業をやらなかったら、当然キャッシュは貯まります。 でも、必要以上にキャッシュを貯め込んでる状況って、自治体としてはどうなん?と。 各ご家庭ならそれで良いんでしょうけど。

大原則として、地方自治体は営利団体ではありません。 財政調整基金として貯め込むものも、もしものときのための保険です。 保険は残すものの、なるべくお金は市民サービスの向上のために使おうというのが原則です。

現在の課題解決を先延ばしにして、必要以上にキャッシュを貯め込むのは 今の市民にとっては良い自治体ですか?という話にもなってきますね。

地方自治体は将来世代の幸せのためだけにやってるんじゃない

色んな所でよくよく将来の云々っていう話を聞きます。 確かに、将来に良い街を引き継いでいかないといかんよねっていうのは分かります。

ただ、大原則として、地方自治体は将来の市民の幸せのためだけにやってんじゃないです。 今の市民だって大事なんですよ。すべては将来世代のため!今の市民は我慢せよ! なんて理屈は通じないです。現在の納税者も納得するでしょうか。

本事業でもつれてるのは、たぶん、この辺の感覚が違うんじゃないかなと。 僕自身は今を生きる現役世代の市民の一人として納税してますから、 芦屋市が「今の市民も大事です」としているスタンスの方を支持したいです。 子に対するお金は、親が残しますから。

市債も。「将来世代へのツケ」だけではないんです

ほんで、ついでにいうと、こうした事業における資金繰りの主力となる市債。 これも借金であり将来へのツケと表現されることが多い。これまた身も蓋もない言い方。

確かに、借金であることには変わらないと思うんですが、位置づけとしてはローンです。 まず、原則としては一般的な市債は投資的事業にしか起債できません。 全般的にお金足らんから借りるわーってことはできません。

芦屋市でも色んな投資的事業をやってますが、キャッシュで全部払える規模のものもあります。 でも、そういうケースでも地方自治体ではあえて市債を発行します。それは、世代間の不公平を生まないためです。

例えば、道路とかの公共施設は数十年間使います。そして、将来の世代も使う施設です。 そうした施設を整備するための費用について、キャッシュで全部払っちゃったら 今の市民だけが費用負担を被ることになる。将来世代も同じように使うものなのに。

こうした世代間の不公平を生まないために起債している背景もあります。 必ずしも、将来世代にツケを払わせるための起債ではない。

ハコモノ行政は避けるべきだが、芦屋市における駅前再開発事業は違うと思う

まあ…いわゆるハコモノ行政。市場性が高く必需性が低いようなハコモノをつくるような 投資的事業の場合、「ちょっと待て」になりますけどね。少なくとも、交通課題を整備するための 再開発事業はいわゆるハコモノ行政とは違うと思います。

また、忌み嫌われる再開発ビル。地方自治体における駅前再開発は結構失敗しがちですが、 それは門外漢であるテナントビルをつくっちゃうから。芦屋市の場合、住居中心。いわゆるマンションです。 また、芦屋市は建物は所有せず、特定建築者であるデベロッパにつくらせます。 なので、負の遺産にはなりようがない。まあ、そもそも民間はつくったものを負の遺産にはしないです。損だから。

JR駅舎の開発の話

今年度末に、かなりの範囲が公開になります。 待望の北側エスカレータも供用開始です。

ホームについても神戸方面の登りエスカレータも設置されます。 これは、階段は登りの方がしんどい。大阪から帰ってくる人の方が多い。 ということで優先順位付けしてるんだろうと思いますが。

デッキと接続する予定だったんだが…

芦屋市による再開発の計画といわばニコイチで進んでおり、 改良された駅舎とデッキが接続されることになっています。

当初計画では、駅からの避難経路としての位置づけでも計画されています。 もし、これが変わるとなるとJRは再設計が必要になります。その費用負担は芦屋市が持ってしかるべき。 しかも、100%芦屋市が悪いんで、言い値で判を押さざるを得ないんじゃないでしょうか。

JRとしては、安全の担保は絶対に必要なことではあります。 法的にはクリアできてるけど、幅員の問題とか含めるとデッキが一番安全に避難可能だと思います。 芦屋で一番の集客力がある施設でもある訳ですから、安全面の配慮はベタープランではなくて ベストプランでやってほしいところです。

いずれにしても、芦屋市の方がすんごく遅れているのは誰の目にも明らか。 可及的速やかに話を動かしていきたいところなんですが、具体的な進捗を上げられるようになるのはいつになるんでしょうか…。