今日は本会議。 各種の議案についての採決を行いました。 結果としては、いずれの議案も全会一致で可決となりました。

各種の議案書はこちら

今日の話で特筆すべきは、本会議中に上程⇒委員会審査⇒議決された 補正予算関連の議案です。

子育て世帯への臨時特別給付金。芦屋市は10万円一括支給になりました

世間を賑わせている子育て世帯への臨時特別給付金(10万円)の話です。 当初の予定としては、5万円を現金。5万円をクーポンという形でした。

が、報道等で言われているように、10万円一括支給でもええよという形で 国の方針が変わりましたので、芦屋市も10万円全部現金で支給する形を採りました。 比較的早期の路線変更だったため、スケジュール的に大きな影響はなさそうです。

所得制限を超える人に対する対応について

地方自治体が財源を背負うのであれば、所得制限を設けずに支給してもええよ。 とも言われています。他市では、全員に配るという自治体もあるようですが、芦屋市ではそれはしません。

芦屋市の場合、約35%の人が給付対象外となります。 人数で言うと、約5000人。仮に芦屋市が一般財源から支給した場合、約5億円になります。

芦屋市の財政状況を鑑みた場合、約5億円の捻出はできないことはない。 でも困ってるのは子育て世帯だけじゃないし、この施策が唯一の支援策ということではない。 ということを鑑みて、総合的に判断すると、独自財源で約35%の人に対する給付は行わないということになったそうです。

これは兼ねてから予定されていた施策ではなく、国から突発的かつ極めてトップダウン的に指示された施策です。 そこに財源をあてがうか否かの判断を各自治体に委ねられている現状の状況を考えると、 今回の芦屋市の地方自治体としての判断は間違っていないと思います。

ただ、そもそもの国の施策としてはどうなんよっていう思いがあります。

給付という形での政策なのであれば、より良い結果にはなったと思うが…

まあ、受給する人の立場で言うと、現金のほうがフレキシブルに使えるので便利でしょうし、 結果的には良き方向に倒れたのかな?と思うところです。

と言いつつも、そもそも論として、この給付金って結局何なん?というのがイマイチ分かりません。 「国民の意見を聞き、フレキシブルに対応した」と考えると、民主主義国家としては良かったのかなとは思います。 しかしながら、「何らかの目的をもって閣議決定されたはずの政策が、のっけから路線変更を余儀なくされた」と考えると 「うーん」としか言いようがないです。

目的が見えてこないのが一番良くない

個人的に、一番問題なのは給付の目的が見えないことだろうなと。 内閣府で定められているようなので、目的はあるんだとは思います。

「コロナ克服・新時代開拓のための経済対策」(令和3年11月19日閣議決定)では、 新型コロナウイルス感染症が長期化しその影響が様々な人々に及ぶ中、我が国の子供たちを力強く支援し、 その未来を拓く観点から、子育て世帯に対する臨時特別給付を実施することとしております。

支援することが目的なのであれば、所得制限には疑問

「我が国の子供たちを力強く支援」ということが目的の主眼なのであれば、 所得制限が設けられるっていうのは、なんかしっくりこない。

別に金持ちは困ってないやろとか、そういうことじゃなくて。 「我が国の子供たちを力強く支援する」目的を達成するための方法として 10万円支給を選択したのであれば、保護者の収入の多寡にかかわらず、全員に支給するのが筋だろうと。

まあ、「我が国の子供たちを力強く支援する」目的達成のための施策が10万円支給というのは どうなん?っていうのはありますけどね。そういう一時的なやつじゃなくて、支援というのは 恒常的なものでしょうって思いますけど、それはいったん置いておいて。

現金支給についても、性悪説的に考えると「給付を受けた保護者が子供のために使うかどうか分からない」 という問題も孕んでいたりします。そう考えると、子供のためだけに使えるクーポンのみで支給する という判断でも悪くなかったと思います。

いろんなことを考えると、子育て支援という切り口の給付金としてもすごく中途半端なものになったなと思います。

経済対策とか福祉施策とかメニューがあるなかで、子育て支援策がベターだった?

トリガーとして、「新型コロナウイルスで影響を受けたから」という枕がついたとして。 新型コロナウイルスの影響を受けているのは、別に子育て世帯だけではありません。 子どもはいないけど、職を失い、困窮している人もいます。

困窮世帯へ支援するという福祉的な要素を多分に含む施策だったのであれば、 所得制限が設けられるのは当然ですし、国民の理解も得られると思います。 所得制限を設けると、トータルの事業費抑制につながり、個人へのサポートを手厚くできる効果も見込めます。

また、消費控えが深刻だから、お金を回さないといけないということであれば、 全部クーポンにして、もっと広い範囲に配る。その代わり、金額も10万円⇒5万円にするとか。

子育て支援に特化するにしても、一時的な給付金を配るよりも 未就学児の子ども医療費を全国で無償にするとか、恒常的な支援のほうがより助かるんじゃないかな。 同じ金額を支出するにしても、もっと効果を出せる方法があったのではないかなと思うところです。