今日は民生文教常任委員会。 閉会中の継続調査事件として挙げられている「西宮市・芦屋市ごみ処理広域化検討会議について」についての説明。 西宮市とのごみ処理広域化が不発に終わったよというのは既に新聞報道でもありましたが、その話です。

西宮市と芦屋市 ごみ広域処理協議で事実上の決裂(神戸新聞NEXT)

結果としては、新聞記事のとおりです。 職員さん同士の検討で合意できなかったんだから、議会としては、もうしゃあないとしか言いようがない。 じゃあ次善策はどうしますか?というところが気になるところですが、 今日は市長・副市長も出席していないものですし、今日はそんなに出てきませんでした。

委員会資料はこちら。 本日時点ではまだアップされていませんが、週明けにはアップされると思います。

経緯について

2017年から両市でずっと話し合ってきています。 見てもらったらわかるとおり、費用負担のところでずっと糞詰まっていました。

2017-04-27第 1回・西宮市と芦屋市のごみ処理の現状と広域化の背景について
・検討会議での協議項目及び今後の進め方について
2017-06-06第 2回・協議項目の検討について
・今後の進め方について
2017-07-26第 3回・環境負荷低減(メリット)について
・広域化による懸念事項(デメリット)について
・広域処理組織について⇒地方自治法上の「事務の委託」で検討を進める。
・費用負担について
2017-10-26第 4回・前回指摘事項(設置場所等)について⇒西宮市側に設置することで検討を進める。
・広域化の費用対効果について
・費用負担について
2017-11-22第 5回・中間まとめについて
2018-11-28第 6回・報告事項(これまでの協議の経緯、協議の状況等)
・協議事項(協議にあたっての両市の認識、今後の論点等)
2018-12-27第 7回・焼却施設と破砕選別施設の事業費及び効果額等について
・中継施設等について⇒焼却施設に係る中継施設等は、今回の広域化の検討対象としない。
・焼却施設と破砕選別施設の広域化の検証
2019-02-01第 8回・破砕選別施設の広域化の取扱いについて⇒破砕選別施設については、今回の広域化の協議の対象外とする。
・焼却施設の費用負担について
2020-04-10第 9回・報告事項
・焼却施設に係る費用負担について
2020-10-10第10回・前回(第9回)の検討状況
・費用負担の考え方に対する市議会の意見
・検討その1 費用負担割合の検討事例
・広域化を想定した場合のスケジュール(案)
2020-11-24第11回・焼却施設の費用負担について

費用負担のところの主な議論

両市で財政効果額を出してみたところ、130億円の効果があるだろうと試算されました。 ごみ排出量(≒人口規模)で割ってみると、だいたい西宮市:芦屋市=3:1という感じになります。

それを当てはめてみると、以下のようになることが分かりました。

西宮市37億円28%
芦屋市93億円72%

芦屋市はオーバースペックな焼却炉を抱えていたため、広域化することでの財政効果は大きかったです。 そうした状況を踏まえると、芦屋市の方が財政効果は大きいとなるんですが、話はここから。

また、芦屋市は市域が狭いということもあり、芦屋市のスペースで広域施設を設置するのは厳しい。 なので、西宮に設置するということになりました。

西宮としては、芦屋市のごみを引き受けるのに、うちの方が財政効果が小さいのは釈然としない。 ということだったのだと思います。感情としては、よく分かります。

両市の公平感を担保できる費用負担の割合はないだろうか?ということで、 長いこと協議されてきたものだと認識しています。

両市の考え方

12

広域化の目的を「経費削減」に位置付けた場合、西宮の言い分はよく分かります。 そう考えた場合、筋論かもしれない。ただ、効果額の割り振りを西宮市=芦屋市:6:4で 持っていきたい気持ちが強すぎたのか、話を持っていくにあたり、削減効果率の話ではなくて 6:4にするための均等割を設ける必要があるよね。という話の持っていき方をされました。

芦屋市としては、そう言われてしまうと、それはおかしいやろっていう話になってしまいます。 効果額というのは机上の数字であるのに、「28億円を西宮に」という形でFIXすると、 どこかのタイミングで芦屋市⇒西宮市に28億円を支払うということになります。

そうなると、何の用途で支出するのか?が不透明な形での支出はできません。 という芦屋市の言い分もまたよく分かります。

僕としては、多少の犠牲を払ってでも、広域化した方が良いんじゃないか?と思っていたので、 芦屋市の運用コストを下げることでなんとか対応できないかな?と思っていましたが、 現場レベルとしてはそれは難しいということでした。

ただ、効果額を取り合うという考え方がよく分からない

財政効果額は、計算で算出されたものです。 しかも、20年運用した場合の効果額です。 単年でどうこう言う額じゃない。

費用負担としては、実際に生じるお金をベースに考えるものじゃないの? というのがあります。具体的にはイニシャル(設置費)とランニング(運用費)。

イニシャルコストの費用負担を○:○。ランニングコストの費用負担を○:○。 というシンプルな考え方にできなかったのかな?と未だに思っています。

ごみ排出量をベースに、西宮市が施設を負担してくれている分を踏まえて 芦屋が多少色を付けるということではダメだったのかな。

130億円という数字が最後までネックだったなぁと思っています。

大事なのはこれからどうするか

最終は市長同士の政治判断になるんですが、今の情勢を考えると 恐らく、西宮市との広域化は難しいんだろうと思います。

ただ、気になるのはプランBがあるのかないのか。 自前でつくります。これだけの金がかかります。 という当たり前の話だけで終わらないでほしいなぁと思っていますが、どうでしょうか。

と言いながら。130億円云々というのは、20年運用ベースのお金です。 芦屋市提案での130億円を5:5で分けたとしても、中継施設は別途つくらないといけないので そうなった時点で芦屋市の表面的な旨味は小さい。付加価値が色々あったので残念ではありますが、それはあくまで付加価値です。

仮に65億の効果だったとして、単年ベースだと3.25億。 確かにめっちゃ大きいけど、それによって市政全般に大きな影を落とし、 市政が立ち行かなくなるということでもないと思っています。 なんか、悲壮感がある感じがしますが、実際はそんな感じかなと。