今日は総務常任委員会。あ、自分の所属委員会です。

今日の審査対象は以下のとおり。議案書はこちら

種別番号件名
市長提出議案第53号芦屋市特別職の職員で常勤のものの給与及び旅費に関する条例の一部を改正する条例の制定について
請願第5号保健所統廃合に関する意見書採択を求める請願

結論としては、いずれも可決すべきものと決しています。 ただ、市長提出議案は全会一致ではなくて賛成多数で可決すべきものと決しています。

また、以下の所管事務調査も行っています。

  • 本庁舎北館1階カフェ運営事業者募集について
  • 市立芦屋高等学校跡地活用事業計画について

気になるところをピックアップして書いときます。 と言っても、件数が少ないんであれですが(笑)

第53号議案

ハラスメント事案の監督責任ということで、市長と副市長の報酬について、1か月間10%減額するよというもの。 ぶっちゃけ「ああ、そうですか」っていう話だと思ってたんですけどね。

前提のお話

前提としては、幹部職員によるパワハラが認定され、懲戒処分(1か月の停職処分)が下されました。 という事実があります。一応、結果をまとめた記事を書いておりますので、そちらをご覧いただければ。

臨時議会とハラスメント疑惑の調査報告。長いけどまとめました

給料減額と言う責任の取り方、ペナルティについては、こっちからどうこう言うことではない。

個人的には、給料減額したから、責任は取った!ということではないと思ってます。 一連の流れで明らかになったシステムの不備、職員の意識レベルの欠損。こういった問題点に対し、 最後まで責任もって再発防止に取り組むというところまでやって初めて、お疲れ様でした。 になると思ってます。

と言いながら、給料減額を以って自分へのペナルティとするという姿勢については なんの異論もありません。ここでいうペナルティの重い軽いというのも、 僕が判断することでもないと思ってます。議会は裁判所ではないんだから。

だから、説明を聞いても「ああ、そうですか」ということなんですけどね。

継続審査とする動議が出された。

一連の調査が終わっていないという理由に基づき、継続審査にしたいという動議が出されました。 僕としては、結論を出せばいいと思っていました。なので、動議には反対。結果的には、反対多数で 動議は否決となり、結論を出すことになりました。

結果は賛成多数で「可決すべきもの」に

結果としては、賛成多数で「可決すべきもの」ということになりました。 委員会での結論は、あくまで諮問を受けている審査をした結果「可決が良いと思うよ」 という回答を出すというものです。

反対を主張する議員さんの意見を聞く限り、調査はまだ終わってないからということでした。 恐らく、調査が終わってないから、ペナルティの重い軽いの判断ができないという趣旨だと思います。

僕としては、一応調査は一段落ついていると認識しています。 まだ足りないところがあるかもしれないけど、それは今後やっていく。

その過程で、もし万が一、新事実があった場合。 そして、その事実についての責任が問われる事態になった場合。 そのときには改めて責任の取り方を考えてもらえばいい訳です。

今回の議案は、現状で明らかになっている事実に対する責任の取り方を示されている訳ですから、 それはそれで認めてあげればいいと思うんです。なので、反対の意見が出たことにとても驚きました。

請願について

公光町にある芦屋健康福祉事務所(芦屋保健所)についての請願です。 これは、市内にありますが県が所管する施設になります。

その保健所について、芦屋には窓口機能だけを残して宝塚に統合するよという 計画が進められています。

「阪神県民局」本庁舎は伊丹に 県が方針案発表(神戸新聞NEXT)

今回の請願は、以下の点についての意見書を提出してほしい。というものでした。

  • 芦屋保健所を存続させてほしい
  • (保健所の稼働がすごくあがっており、回っていないので)体制を強化してほしい。

個人的には、以下のことを考えるべきかと思います。

  1. 計画自体、新型コロナウイルスが流行する前にたてられたものであり、新型コロナウイルスの流行を踏まえ、計画の再考が必要ではないか。
  2. 全国的に、保健所の稼働が急激に増えており、通常業務が回っている状況ではないため、是正が必要ではないか。
  3. 西宮に統合されるというのならまだしも、近くて遠い阪神北県民局に位置する宝塚への統合はいかがなものか。

ちょっと、それぞれについて書いておきます。

計画の再考について

新型コロナウイルスは、非常によくできたウイルスで 「ほとんどの人には弱毒性で、免疫機能に不安がある人は重篤化するリスクが結構高い感染症」を引き起こすものです。

感染症法で定められている感染症はどれもかなり強毒性が高く、陽性患者がフラフラ出歩くこと自体、難しいものです。 季節性インフルエンザでも、感染すると38℃とか39℃とかの高熱が出たりします。 自由に出歩いて良いよと言われても、到底出歩けるものではありません。しんどすぎて。

ということを考えると、従来考えられていた感染症では 今のように日本全国で爆発的感染が生じ、全国の保健所がパンク寸前に陥る ということ自体、少し考えにくいものだったのかなと思います。

感染症対策の考え方を変えないといけないフェーズでは?

しかし、新型コロナウイルスの流行はその辺の考え方を一変させるものだったと思います。 そう考えると、通常業務と突発的業務である感染症対策を保健所が担うという体制自体、 妥当なものなのか、疑問が残ります。

今は緊急事態に近いですから、イレギュラー業務に追われている状況だと思います。 ですが、だからと言って通常業務をおろそかにしていいものでもないと思います。 両者が両立できる体制を必要がある。

その辺を踏まえると、そもそも論として、緊急的な対応が求められる感染症対策の司令塔の役割を保健所だけに 任せても良いの?という、もっと大きなレベル感の議論も必要なんじゃないか?と思っています。

今回の意見書では、芦屋保健所の存続とかがテーマになっていますが、 個人的にはもっと上のレベルの議論も繰り広げていってほしいなという思いがあります。 そうしないと、また別の弱毒性感染症が流行すると、また同じことになってしまう。

体制の強化について

体制の強化が絶対的に必要であるとは思いませんが、現状のように全国的に過重労働が生じている 状況は、早急に是正する必要がある状態です。「今月1か月だけ」とか、エンドが見えていれば頑張れますが 新型コロナウイルスの終息はいつになるか分かりません。そういう稼働がいつまでも続くとは考えにくい。

管理者であれば、当然、なるべく早く事態の解決を図るべきです。 応援要員を送るという話もありますが、在野の保健士がどれだけいるのだろうか。 そういう対症療法的な対応を繰り返していても、抜本的解決には至りません。

業務量を減らす(他に外出しにする)あるいは、体制を強化するという対策が必要だと思います。 現場がつぶれてしまう前に。

立地の話

宝塚って、同じ阪神間の自治体なんですけど、阪神北県民局と言われるように 結構遠いです。電車だと、乗り換えが必要なので結構時間がかかります。

仮に西宮と統合という話なら、立地的にそこまで変化があるとは思いませんが 宝塚と統合と言うこと自体、どうなんよ!って思う訳です。 芦屋から見た利便性という観点でいうと、かなり悪いです。

こういうところも考えて計画してほしいなと。行革の考え方で統合するという考え方自体が 悪いとは言いませんけど、ちょっと乱暴じゃない?というのが個人的な考えです。

どういう結論になるんやろ?と思ったけど、全会一致で採択されました。

途中、休憩が欲しいという申し出がありました。 これ、トイレとかとは違います。要するに、会派なりで相談したいんやけど! という申し出になります。

会派で相談するということは、議論を聞いたら考えに迷いが生じたよっていうことですね。 うちの会派は割と任せますから、休憩を取って相談というのはしないですけど。 タブレットのメッセージ機能も使えますし。

芦屋市民的には、芦屋市に保健所がある方が絶対に良いです。 採択することになるかなと思っていたので展開に少し驚きましたが、 結果としては全会一致で採択されることになりました。

意見書を出したらどうなるの?

分かりません。重く受け止めて再考してくれるかもしれないし、 いやいや、当初計画通り進めますよということになるかもしれない。

芦屋市議会が効力を発揮できるのは芦屋市に限ったもの。 地方自治法第99条に基づいて意見書を提出できるけど、受け取った後、 どうするかは受け取った人次第です。

でも、過去に民泊についての意見書を出したところ、 重く受け止めてくれたことがありました。今回はどうだろう。重く受け止めてくれたらうれしいですが。