旧芦屋市営宮塚町住宅の国登録有形文化財の登録が決定したそうです。 内々で、登録されそうだという話は聞いていましたが、この度、正式に決定したという記事が出ていました。

国登録有形文化財に阪神間の2施設 関係者ら喜びの声(神戸新聞NEXT)

芦屋市のHPにも、掲載されていました。

旧芦屋市営宮塚町住宅の国登録有形文化財の登録が決定しました!(芦屋市)

市内の国登録有形文化財としては7件目

市内の国登録有形文化財は7件目になるそうです。 ちなみに、その他の登録済の文化財は以下のとおり。

  1. 芦屋仏教会館
  2. 旧芦屋郵便局電話事務室(芦屋モノリス)
  3. 旧松山家住宅松濤館(芦屋市立図書館打出分室)
  4. 旧松山家住宅塀
  5. 中山家住宅主屋
  6. 中山家住宅表門及び塀

国登録有形文化財に登録されました!という話をちょいちょい聞くけど、 どこが登録されたんだっけ?よく分からんなぁと思っていましたが、 文化庁の方で提供されている『国指定文化財等データベース』を 活用することでばっちり分かりました。

それぞれの文化財についての詳細も記載されているので、 結構面白いデータベースです。興味があれば、見てみてください。

国登録有形文化財とは?

ちなみに、登録有形文化財とは何か?というと、 文化庁のパンフレットに以下のような記載があります。

私たちの周りには, 残していきたい風景がたくさんあります。 身近な建造物であっても,地域に親しまれている建物や,時代の特色をよく表わしたもの, 再び造ることができないものは, 貴重な文化財です。この文化財建造物を守り, 地域の資産として活いかすための制度<文化財登録制度>が平成8年に誕生しました。 登録有形文化財建造物は, 50年を経過した歴史的建造物のうち,一定の評価を得たものを文化財として登録し, 届出制という緩やかな規制を通じて保存が図られ,活用が促されています。 既に10,000件を超える建造物が登録されています。

国内には歴史的、文化的に価値がある建物等はとてもたくさんあり、 国指定重要文化財として国が指定する形だけでは守りきれないという背景があったため、 指定重要文化財を補填する形で設立された制度であるということだと思います。

文化財は活用が求められる

関係する法律である文化財保護法の第一条には、法の目的として 以下の文言が記されています。

(この法律の目的)
第一条 この法律は、文化財を保存し、且つ、その活用を図り、もつて国民の文化的向上に資するとともに、世界文化の進歩に貢献することを目的とする。

ということなので、登録有形文化財についても大事にする一方で積極的に活用していかないと!ということです。 旧宮塚町住宅については、昨年6月以降、紅茶専門店の老舗や革製品、革靴、ガラス工房等の創作活動をする職人に各部屋を賃貸し、 順次営業を開始しています。特に紅茶専門店は結構人気みたいですよ。

旧宮塚町住宅については、当初から「どうやら貴重らしいので壊さずに残しときます」 ということが言われていました。だから、テナント貸しをして活用していたんですね。 ただ市としても「貴重らしい」ベースでの動きだったので、さほど活発な動きということではなかったように思います。

今回、歴史的、文化的に価値あるものであると文化庁からお墨付きをもらったことで 「貴重らしい」から「貴重である」にステータスが変わりました。 今後は、そういう方向性でもPRをしてもらい、文化財としての目的も十分に果たしてもらいたいと思います。