今日は呉川町町内会の役員会に参加。

呉川町担当の民生委員の方が変わりましたので、今日の役員会には 新しい担当の方が来られていました。民生委員ってすごく大変らしいんです。 ちょっと書いておきたいと思います。

民生委員って?

民生委員って、普通に生きていると関わる機会があんまりないです。 実は厚生労働大臣から委嘱されて活動する特別職の地方公務員という位置づけの人なんです。

その仕事は多岐に渡っていて、以下のとおり民生委員法第14条で定められています。

  1. 住民の生活状態を必要に応じ適切に把握しておくこと
  2. 生活に関する相談に応じ、助言その他の援助を行うこと
  3. 福祉サービスを適切に利用するために必要な情報の提供、その他の援助を行うこと
  4. 社会福祉事業者と密接に連携し、その事業又は活動を支援すること
  5. 福祉事務所その他の関係行政機関の業務に協力すること
  6. その他、住民の福祉の増進を図るための活動を行うこと

えっ、やること多くない?そう、それ相応の責任も伴う大変な仕事です。 しかも、一つ目にしれっと書かれてますが、「住民の生活状態を必要に応じ適切に把握」 ってすごい重たいこと書いてます。

民生委員は人口に応じて割り振られる

民生委員法第4条に記載があるとおり、厚生労働大臣の定める基準を参酌して 市町村ごとに都道府県条例で定められます。

県条例(民生委員・児童委員の定数等)を見る限り、芦屋市全体の 民生委員の定数は111人です。

そこから更に、町別に振り分けられているようです。 実際、呉川町は人口的には3人ぐらいの枠があるとのこと。

でも呉川町だけでも1200世帯ぐらいあるんですよね。 単純計算で1人400世帯。めっちゃ大変じゃないですか? 極端な話、400世帯の生活状態を適切に把握しておく必要があるということですから。

問題は成り手不足

呉川町は3人の枠があるにもかかわらず、民生委員は1人しかいません。 今日の話では、1人⇒1人に変わったため、引き継ぎも難しいとのことでした。

そらそうです。だいたい、仕事のやり方は予め説明を受けますけど、 実際には先輩と一緒に動いて覚えるものです。盗むこともありますけど、 いずれにしても、一緒に動く先輩がいないとしんどいです。

非常に重要な任務が課せられているのに、十分に引き継ぎができず うまく機能していくのが難しいというのでは、状況としては問題があります。 福祉の観点で大きな役割を果たしているはずの民生委員ですから、余計にです。

時代と合ってない?

民生委員法が制定されたのは昭和23年。西暦でいうと1948年で、戦後間もない時代の話です。 70年以上もの長い年月が経過する中で、色々と時代が変わってきています。

かつては地域の人はみんな知り合いというぐらい、地域コミュニティが根付いていましたが 近年では核家族化が進み、地域コミュニティが希薄化しているのは皆さんご存知のとおり。 そんな中、いきなり民生委員に指名されても情報が無い訳です。

個人情報の取り扱いも非常に厳しくなっています。 昔であれば、普通にご近所づきあいの中で知り得ていた情報も把握しにくくなっています。 隣の人が何をやっているか、知らないのは当たり前っていう時代ですから。

また、住民の抱える問題は本当に複雑になってきています。 民生委員の業務そのものが肥大化していることも予想されます。 厚労大臣が定める基準に基づいて定められている人数で対応するのも 大変になってきてるんじゃないかなと危惧します。

成り手、出てくるんでしょうか

民生委員はどうやって選ばれているか?というと、 民生委員が誰かやってくれないですかねぇ…と声かけまくって推薦するらしいです。 急に声かけられたとしても「私には荷が重いです」ってなりますよね。

特別地方公務員と言いながらも基本は無償です。ボランティアです。 人の命にかかわるような任務を負いながら、無償でやれと言われても…と思います。

このままだと、制度そのものの維持さえも難しくなってくるのではないか?と危惧します。 負担軽減も含め、制度を抜本的に見直さなければならない時期が来ているのではないかと思います。

といっても国制度なので、市議会議員の立場ではどうしようもありません。 なんせ、市長にも任命権がありませんから。

国会議員の先生方には地域で困っていることにもちゃんと耳を傾けて、議論してもらいたいと思います。