今日は本会議。12月定例会の最終日です。 今日は以下の議事が執り行われました。

  • 市長提出議案、請願の採決
  • 議員提出議案の提出、議決
  • 閉会中の継続調査の手続き
  • 議員派遣

とりあえず議決のところが大事なので、そこを書いておきます。 結論としては、以下のとおり。

種類番号件名結果
市長提出議案第72号使用料・手数料等の適正化に係る関係条例の整備に関する条例の制定について
第73号芦屋市立地区集会所の設置及び管理に関する条例の一部を改正する条例の制定について
第74号芦屋市放課後児童健全育成事業の設備及び運営に関する基準を定める条例の一部を改正する条例の制定について
第75号芦屋市水道事業給水条例の一部を改正する条例の制定について
第76号令和元年度芦屋市一般会計補正予算(第4号)
第77号令和元年度芦屋市打出芦屋財産区共有財産会計補正予算(第1号)
第78号芦屋市立あしや市民活動センターの指定管理者の指定について
第79号権利の放棄について
第80号芦屋市一般職の職員の給与に関する条例等の一部を改正する条例の制定について
第81号芦屋市議会議員の議員報酬及び費用弁償等に関する条例等の一部を改正する条例の制定について
第82号芦屋市フルタイム会計年度任用職員の給与に関する条例の制定について
第83号芦屋市パートタイム会計年度任用職員の報酬,期末手当及び費用弁償に関する条例の制定について
第84号地方公務員法及び地方自治法の一部を改正する法律の施行に伴う関係条例の整備に関する条例の制定について
請願第3号「マンション管理の適正化の推進に関する法律」の周知等に関する請願書

一重丸(グリーン)が賛成多数で可決。二重丸(ブルー)が全会一致で可決です。 議員ごとの態度についてはこちら

うちの会派としては、第80号議案と第81号議案について反対の態度を採っています。 賛否が分かれた議案として、第72号議案もありますが、これについては 総務常任委員会の日に詳しく書いているので、ここでは割愛。

議案の内容についても上述の記事内に書いてますので なんで反対したのか?というところにターゲットを絞って書きます。

第80号議案について

まるっと反対ということではない

議案の中で示されている以下の点については高く評価しています。

  • 若年層に傾斜をつけての引き上げ
  • 住居手当の引き下げ

実際、会派の中でも「賛成しても良いのではないか?」という議論もしています。 それほどにこれらのポイントは評価高いのです。額面だけで言うと、 住居手当の削減額が大きく、給与引き上げを考慮しても減額になります。

芦屋の財政は厳しい

しかし、芦屋の財政は現状はともかく、将来的にみると極めて危ういものがあります。

  • 少子高齢化による社会保障費の増加
  • 人口減少による市税収入の減少
  • 不交付団体になり、交付税措置が受けられなくなる(+臨財債の償還)
  • 公共施設の更新やJR芦屋南再開発など、大規模事業が予定されている。

実際に危なくなってから下げたらええやん。という意見もあります。 ですが、今は既に危なくなることがかなり具体的に見えている状況です。

昨年の3月に公開された長期財政収支見込みを見る限り、 10年後の財政調整基金の残高は4億円です。

芦屋市の標準財政規模は約230億円。 そんな団体の貯金残高が4億円とか、ちょっと厳しすぎます。 地方自治体は民間の事業者と違い、事業縮小はできないんです。 不採算事業を切るということもできません。

給与を少し触ったぐらいでは財政的には変わらない

また、給与をちょっと弄ったぐらいでは財政効果はほとんどないです。 地方自治体は必要な(やらなければならない)業務量は変わりませんから、 民間のような事業縮小を視野に入れた大規模なリストラはできません。

「給与を上げない」という判断は直接的な財政効果云々ではなくて、 職員に現状の財政の厳しさを意識してもらう。そして高い原価意識を持って 業務に臨んでもらうというところが大きいです。金額では無くてマインドの話です。

公務員給与が高すぎる!みたいなルサンチマンでもありません。 マインドの話をしているのに、金額の多寡で話をすると論点がずれます。 パフォーマンスするなら金額の話をすべきですが、それをしても芦屋のプラスになりません。 政党や個人の人気取りにはなると思いますが。

厳しい状況を乗り切るために

厳しい状況が目前に迫っているからこそ、一度立ち止まって 業務の有り方を見直してみませんか?というのがうちの会派の言い分です。

サービスの総量を減らすことなく、歳出を減らす努力をやっていく必要があります。 長期財政収支見込みの予測が外れたねという10年後をもたらす必要があるんです。

僕は、今期の議員としてのテーマとして「行政改革(議会改革)」と 芦屋の魅力向上による「歳入増加」を掲げています。選挙のときもそれ一本で勝負しています。

行政の意識を変えるため、心を鬼にして「待った!」が言える会派が芦屋市議会には必要です。 そのために一定の力を持ちたいですし、しっかりと取り組みます。

第81号議案について

これは言うことないです。 議論に参加する立場でない職員さんの給与を取り沙汰するのは 心苦しいところがありますが、これは特別職の話。議論の中心にいる自分たちの話です。

議会にいると財政が厳しくなるというような趣旨の話を良く聞きます。 でも、期末手当の引き上げはすんなりと。では、説得力がありません。 人に厳しく自分に甘い人の言うことは誰も聞いてくれないです。 僕もそういう人の話は聞きません。

これからの財政を乗り切るために、現場の意識を変えようと言うメッセージを込めて 自ら範を垂れる姿勢、リーダーシップを出してもらいたかったのが本音です。

会派としては、議決に対する姿勢の責任をしっかり取るために、 被災地等に対する寄附を行うことで決めています。 公選法の制限があり、芦屋市に返還できないのが心苦しいところですが、 上がった分は受け取らないということです。

この件でパフォーマンスをする気はさらさらありませんので 大々的な発表はしませんが、しっかりエビデンス含めた対応をしたいと思います。