今日は芦屋市立美術博物館で行われた 第30回 富田砕花賞授賞式に来賓出席。

富田砕花賞とは

富田砕花賞とは、平成2年に富田砕花生誕100年と芦屋市政施行50年を記念して創設された賞です。 震災発生時は芦屋市が主催するのが難しく、継続が危ぶまれたそうですが、その間は富田砕花顕彰会さんが代わりに主催として継続して下さったとのこと。 現在では、また芦屋市が主催として毎年継続している賞になります。

富田砕花賞(芦屋市)

芦屋市が主催している賞ではありますが、芦屋市民のみならず 日本全国から応募がある詩の世界においては有名な賞になっています。

なんとWikipediaページもあります。

今年の受賞作

田中武氏による『半結晶質群』(ぼうろの会)が受賞しました。

昨年度の第29回においては79作の応募があったそうですが、 今年はなんと112作もの応募があったとのこと。

上述の芦屋市HPには、選考委員の講評も公開されています。

受賞作『半結晶質群』には作者自身が、これらの作品群は半結晶、半熟品で立派な詩集ではありません、 と「半」をつけており、そこが逆に作者の「詩」へのこだわり、謙虚さが読み手には新鮮だ。 そう言いながら作者は丹念に生活を取り入れて、その体験、詩の言葉としっかり向き合い、 十数年にも及ぶ長い時間のなかで仕上げていてなかなかの労作。この行為は間に時間を置いて「今」書いているのだから、 当然他者の眼になる。テクニックというか方法論が入る。また目次はそれぞれの作品の冒頭に日付を入れて、 一行の短詩とするなど、実験(=試み)と読めば面白い。

前に発表した詩集から10年ほどの時間をかけて発表した詩集だそうです。 一つの詩集にこれほどの時間を要して作成するようなケースは少ないそうです。

講評にあるとおり、過去の自分が書いた詩を未来の自分がまとめるという手法をとっています。 作者である田中武氏も、過去の自分が書いた作品を代作しただけというようなお話をされていました。

今年は令和第1号で30回という節目。これからは?

富田砕花は芦屋市の小中学校の校歌の作詞をしてくれていたり 芦屋市にとっても大事な文化人です。富田砕花賞は今回で30回目ですが これからもずっと続いていく賞になります。

賞が続くと芦屋市と詩人の方々が繋がっていきます。 文化事業は難しいところではありますが、芦屋市と富田砕花の繋がりは とても貴重なものです。繋がりたくても、簡単には繋がれないものです。 また、30年という歴史も当然、一朝一夕ではできません。

僕は詩のテクニカルなことは分からないし、授賞式に出席するぐらいしかできませんが、 こうして宣伝することで、芦屋市の文化事業を手伝えれば…と思います。