今日は全体協議会がありました。テーマは「市立幼稚園・保育所のあり方について」でした。とても大きなテーマだったため、1時間半ぐらいの会議となりました。新聞記事にもなっていることですから、ここでも触れておきたいと思います。ただ、重たい内容なので、ブログも長いです。あしからず。
芦屋市、幼稚園と保育所の統廃合案 議会に反発も(神戸新聞NEXT)

芦屋市では、市立幼稚園の充足率が4割を切っている一方で、保育所の空きを待つ待機児童が300人ほど存在している状況があります。いわゆる待機児童の問題。都市部の自治体だったら、どこでも同じような悩みを抱えていると思います。今日、報告があったのは待機児童の問題を解決するための計画案です。

現行の市立幼稚園と市立保育所の体制を以下のように変更するというものでした。かなりドラスティックなプランなので驚くと思いますけど。

示された内容について

賛否はともかくとして、かなり変わります。予想の上を行く方針だったため、僕も資料を見たときにかなり驚きました。僕がペーペーだったせいで予測が甘かったという訳でもなく、他の多くの議員さんも驚かれていたようなので、やはり予想の上を行ってます。

山手圏域

朝日ケ丘幼稚園を岩園幼稚園に統合し、市立岩園幼稚園として運営する。

 変更前変更後
市立幼稚園朝日ケ丘幼稚園
岩園幼稚園
岩園幼稚園
市立保育所岩園保育所岩園保育所
市立幼保連携型認定こども園

精道圏域

  • 精道幼稚園を精道保育所と統合し、精道幼稚園または精道保育所跡地に市立幼保連携型認定こども園を新設
  • 打出保育所と大東保育所を民間移管
  • 市役所分庁舎に民間の小規模保育事業所を誘致
  • ハートフル福祉公社跡地に民間の認可保育所を誘致
  • 宮川幼稚園、伊勢幼稚園、新浜保育所を統合し、西蔵町市営住宅跡地に市立幼保連携型認定こども園を新設
 変更前変更後
市立幼稚園小槌幼稚園
精道幼稚園
宮川幼稚園
伊勢幼稚園
小槌幼稚園
市立保育所精道保育所
打出保育所
大東保育所
※打出保育所と大東保育所は民営に
市立幼保連携型認定こども園精道幼稚園 or 精道保育所跡地に新設
西蔵町市営住宅跡地に新設

潮見圏域

変更なし

示された内容の分類について

僕の個人的な見解としては、上記のプランは三つの方針に基づいて計画されているものだと捉えています。

  1. 過剰供給である市立幼稚園の数を減らし、跡地を他の用途に利活用する。
    • 朝日ケ丘幼稚園と岩園幼稚園の統合
    • 精道幼稚園と精道保育所を統合し、幼保連携型認定こども園を新設
    • 宮川幼稚園、伊勢幼稚園、新浜保育所を統合し、幼保連携型認定こども園を新設
  2. 保育所の数を増やす。
    • 分庁舎に民間の小規模保育事業所を誘致
    • ハートフル福祉公社跡地に民間の認可保育所を誘致
  3. 保育士さんの激減に伴う措置。
    • 打出保育所と大東保育所を民間移管
    • ハートフル福祉公社跡地に民間の認可保育所を誘致

3については行政の整理上の問題というか、芦屋市の問題点に対して向き合ったプランニングではありません。大量に採用した時期の保育士さん達が定年退職されるため、平成29年度から平成34年度にかけて、31人の保育士さんが退職されます。再任用の制度もありますが、保育士さんはその制度を利用されるケースは少ないそうです。

今回示された内容をすべて一緒くたに考えるとややこしいので、分けて考えた方が良いと思います。裏を返せば、見直しが検討できるのは3だけになるのかもしれませんが。

今回の提案ってどうなの?

今日聞いたばかりなので、自分的にも完全に整理できている訳でもないし、この計画のとおりにGoだという訳でもありません。今後いろいろな機会で激しい議論が交わされるでしょうし、議論の分だけ今後ブラッシュアップされていくものだと思います。ただとりあえず、ファーストインプレッション時の感覚として、現時点での評価を考えてみたいと思います。

「待機児童の解消」という観点について

報告では、ピーク時と想定しているH29年度の待機児童数が357人。今回の計画通り進めた場合の最終的な受け入れ人数は374人ということでした。

施設の受け入れ人数>待機児童数となるため、待機児童問題の解消という意味ではかなり大きな効果が期待できると思います。

「公共施設の適正配置」という観点について

現状、市立幼稚園の充足率は4割を下回っており、過剰供給の状況にあります。仮にこれが他の施設であれば「本当に必要なのか?」「不要なのではないか」というような議論になっているんではないでしょうか。

よく「箱モノは負の遺産になる」とか言われているように、建物は維持しているだけでもお金がかかります。市の問題が教育だけで、教育にだけお金を使っていれば良いというような状況なら話は別ですが、そんなことはありません。

歳入の多くを市民税が占めている芦屋市ですから、歳入を爆発的に増やしていくのは難しいです。更に予算を確保しようと思うと歳出を減らしていくしかありません。公共施設を無駄なく使っていくという観点で考えると、今回の計画は理にかなっていると思います。

「教育のあり方」という観点について

学校教育審議会での議論では、公立と私立の施設があり、選択肢があるということに大きな意味があるということでした。公立の施設をゼロにするという計画ではなく、公立幼稚園の受け入れ数を減らして保育所の受け入れ人数を増やすという方向性の計画なので、教育の選択肢という意味では変わっていません。

芦屋市の公教育については高い評価を受けているそうですから、「教育の質の担保」という観点においては打出保育所と大東保育所を民間移管という方針については見直しの余地もあると思います。

「市立の」幼保連携型認定こども園を新設することについて

浜風幼稚園跡地にできる幼保連携型認定こども園は、民間運営です。これは国が進めている子ども子育て新制度にて、民間施設であれば国庫補助が得られるため、市の負担を軽減できるという理由に基づく判断でした。

こういう背景があるので、僕は民間による運営になることはやむを得ないと考えていました。多くの議員さんもそうだと思います。実際、市民の方に対してもこういうような説明を差し上げています。

恐らく、今回の場合は幼稚園の先生と保育所の先生の両方の人材を確保することができますが、浜風幼稚園跡地の場合は保育所部門の人材の確保が難しかったという理由も背景にあるんだと思います。どこでも保育士不足が叫ばれていますから。

でも、浜風幼稚園の跡地の議論の際にはそういう話はありませんでした。「今回新設するところは市立にしますけど、浜風幼稚園の跡地は私立で納得してください」というのは正直なところ、難しいんじゃないでしょうか。僕自身、この件についてはどうやって市民の方にご説明すればいいのか落とし込めていません。

話の進め方について

今日の会議の中でも、拙速であると発現されている議員さんがいらっしゃいました。確かに予想を上回る提示があったため、ちょっと拙速だと思います。

しかし、拙速だからというだけでは示された案に対して反対する理由にはならないと思います。待機児童の問題は喫緊の課題であり、反対するからには対案を示す必要があるからです。

住民の皆さんへの説明はこれから集会所などで説明を実施していくとのことです。なので賛成とか、反対とかで議論を進めるのはまだ先の話で、とりあえず今のところは状況を見守るのがベターなのかなと感じています。