今日は第28回富田砕花賞贈呈式に来賓出席。 平成2年に富田砕花生誕百年・芦屋市制施行50周年を記念して創設した賞です。 基本的には芦屋市主催とのことですが、震災の間は富田砕花顕彰会の協力をお願いしていたとのこと。
富田砕花賞(芦屋市)

富田砕花は岩手出身で、病気の療養のために芦屋市に移住し 1984年に亡くなるまで芦屋市に住み続けた詩人です。 小中高校の校歌を多数作詞しており、芦屋市においても以下の学校の校歌を作詞しています。( Wikipedia)

  • 芦屋市立宮川小学校
  • 芦屋市立岩園小学校
  • 芦屋市立精道中学校
  • 芦屋大学附属芦屋女子高等学校

宮川町には実際に富田砕花が住んでいた富田砕花旧居があり、文化施設として一般公開されています。

富田砕花賞の贈呈式は毎年行われていましたが、僕は初めて参加しました。 芦屋市主催の賞ですが、毎年全国からの詩集の応募がある文学界では権威ある賞のようです。 Wikipediaページもあり、注目度の高い賞であることに驚きました。

今年の受賞者は神原芳之氏。 『青山記(せいざんき)』という詩集で受賞されました。 現在85歳の神原氏は、80歳頃から詩を書かれるようになったそうで 『青山記』は処女詩集だそうです。

選考委員の講評によると、以下のような評価だとのこと。

「詩集『青山記』の魅力は、一つ一つの作品が、 丁寧に編み込まれた言葉の花籠のような造形物として差し出されているところにあります。 十代に体験された戦時下の記憶が詩集の核となり、それが自然や生命を愛おしむ心を育むと同時に、 この国の社会や未来に対する深い憂いとなって、この詩集の強い精神性と、心にひびく抒情性を生み出しています。」

僕は詩の世界についてはド素人です。 前に歌の作詞をしたことがありますが、こういう才能は無いなぁと思い知らされた経験があります。

テクニカルなところは分かりませんが、本日披露された神原氏の自選詩においても 戦争体験に基づく詩が紹介されており、氏がもっとも訴えたいところが評価されたということなんだと思います。

しかし、処女作品をターゲットにした賞ではない賞において、 処女作品が受賞するというのは本当に凄いことです。神原さん、おめでとうございました!