今日は建設公営企業常任委員会。市長提出議案5件の審査と、3件の所管事務調査報告を受けました。ちなみに、審査対象の議案は以下のとおり。内容については、市議会のホームページをご覧ください。
第56号議案 | 平成29年度芦屋市都市再開発事業特別会計補正予算(第1号) |
第60号議案 | 市道路線の認定について |
第61号議案 | 平成28年度芦屋市水道事業会計決算の認定について |
第62号議案 | 平成28年度芦屋市水道事業会計未処分利益剰余金の処分について |
第63号議案 | 平成28年度芦屋市病院事業会計決算の認定について |
結果としては、全議案とも全会一致で可決すべきものと決しました。簡潔にかつ、中身のある議論ができたのではないかと思います。ダラダラ長いだけで中身の薄い議論だったら最悪なので、良かったです。
以下では特徴的なものについて、簡単に紹介しておきたいと思います。
第63号議案
市立芦屋病院の平成28年度決算についての議案になります。
患者数の動向
今年度 | 前年度 | 前年度比 | |
入院患者数 (のべ人数) | 63,168 | 61,064 | 103% |
外来患者数 (人数) | 82,341 | 82,807 | 99% |
経営状況
今年度 | 前年度 | 前年度比 | |
総収入(千円) | 4,907,137 | 4,734,995 | 103.63% |
総費用(千円) | 5,199,196 | 5,108,576 | 101.77% |
総利益(千円) | △292,059 | △373,581 | 78.17% |
結果としては292,059千円の純損失。それにより、未処理欠損金は更にたまって28年度分は11,536,919千円。
主なやりとり~所感
トータルとしては前年度よりは良いものの、依然として3億近い純損失が出ている状況。ただ個別の診療科を見ると、大きな成果があがっているような科もある。今後の病院のあり方を考えると、希少価値の高いような診療科に特化した病院づくりをしていくのも一つの可能性ではないか。
というような意見が挙がりました。
所感
個人的には同感です。というのも芦屋市の場合、西宮にも神戸にも近い。もちろん、芦屋市内の病院の方が近いことは近いです。しかし芦屋病院は朝日ケ丘町の上の方に位置しているという立地条件もあり、歩いて行くのは困難。芦屋病院に行くにせよ、西宮や神戸市東灘区~中央区あたりの病院に行くにせよ、バスやタクシーなどの車で行く必要があります。
広域行政…とまでは行かないにしても、他自治体の病院と相互フォローしながらの対応だったとしても、利用者の利便性的にはそこまで大きな差は無いと思います。
また、紹介率が約41%と低調(目標達成率:約82%)という状況もあります。現時点でも芦屋病院以外の病院を紹介されるケースの方が多いという状況です。現状のように芦屋病院が全てをフォローアップすることへのニーズもさほど高くないのかもしれません。
業績が好調であれば、全く問題ありません。また公営病院ですから、多少の赤字であればやむを得ない部分もあります。しかし、未処理欠損金が毎年のように計上され、1153億円にまで上っている状況です。今の延長線でずっと行くのではなく、どこかのタイミングで考えていかなければならないと思います。
どちらにしても市長選の争点に足り得るほど大きな課題。転機を迎えるには政治判断が必要だろうなぁというところ。当面は現行体制で進む訳ですから、現時点では少しでも経営改善に繋がるよう、企業努力を期待したいところです。
所管事務調査:屋外広告物条例について
実地調査の結果と改修・撤去に係る補助制度についての説明を受けました。
実地調査の結果
平成29年7月時点の市内の状況は以下のとおり。
市内全体 | 無許可 | 県条例不適合 | 市条例不適合 |
3,608 | 231 | 237 | 818 |
この数字上の「無許可」というのは、以下のような考え方で計上されているとのこと。ややこしいですが…。
看板3つまでは申請不要。4つ以上になった場合は申請が必要となる。ここで言う「無許可」とは4つ以上の看板が掲示されている物件のことを指す。
改修・撤去に係る補助制度について
補助制度については、現行は以下のとおり。
平成31年6月30日までに 補助事業を完了させるもの | 平成33年6月30日までに 補助事業を完了させるもの | |||
補助率 | 限度額 | 補助率 | 限度額 | |
改修費用 | 1/2 | 100万円 | 1/3 | 50万円 |
撤去費用 | 2/3 | 100万円 | 1/2 | 50万円 |
補助制度を設計した際には、「100万円で足りるよねぇ」という想定で設計されました。しかし実際には、総費用100万円を超過するようなケースも出てきている(1件、数万円程度超過)とのこと。
同制度は屋上看板等の大きな看板を早期撤去するために設置されている制度。目的達成のために限度額の拡充に踏み切ったという説明がありました。
制度の拡充が開始するのは平成29年10月1日受付分以降。実際には以下のように変わります。
- 変更前:平成31年6月30日までに補助事業を完了させるものの改修・撤去費用上限:100万円
- 変更後:平成31年6月30日までに補助事業を完了させるものの改修・撤去費用上限:200万円
上述の表中に落とし込むと以下のような感じ。
平成31年6月30日までに 補助事業を完了させるもの | 平成33年6月30日までに 補助事業を完了させるもの | |||
補助率 | 限度額 | 補助率 | 限度額 | |
改修費用 | 1/2 | 200万円 | 1/3 | 50万円 |
撤去費用 | 2/3 | 200万円 | 1/2 | 50万円 |
所感
最近、鮮やかな黄色バックに赤字の看板で有名な某居酒屋系焼鳥屋がオープンしました。市条例とテナントビルの色合いを加味して淡い黄色バックに淡い赤字の看板にしてくれています。他にも阪神芦屋の近くにある某餃子店も黒系看板でおしゃれ感を出しています。
ちなみに、某餃子店の黒系看板。これは芦屋専用の仕様じゃなくて、運営会社が試験的に取り組んでいる女性向け店舗が採用されているだけなんです。いわばオフィシャル。芦屋だからお高く止まっている訳ではないんですよ。どうも勘違いされているようなので…。
景観ってめちゃくちゃ主観が入ります。人によって受け止め方が異なり、人が「いいな」と思っても別の人からしたら「ダメ!」ってなることもあります。報道が先行したこともあってハレーションが起こっていた同条例ですが、進んでいくことである程度の方向性が見えてくるのでは…と思います。もちろん、市長がおっしゃる「世界一美しい街」を形にしていくためには無電柱化や道路整備なども並行して実施していく必要がありますが…。
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