今日は福岡県大野城市にて「統合型行政評価システム(公共サービスDOCK事業)」を視察。兵庫維新の会の有志のメンバーで訪れました。前回、国東市に赴いたときと概ね同じメンバーです。

公共サービスDOCK事業というのは、簡単にいうと「市の事業について、第三者評価を受ける」という仕組み。大学教授や公認会計士、企業経営者といった人選で公共サービス改革委員会というものを設置し、市のいくつかの事業を外部評価にかけるという取り組みです。この事業については総務省のホームページにも紹介があります

市の内部評価だけでなく第三者評価を受けるべきだという観点は、先日視察させていただきました静岡県富士市における「議会事業評価」とも似ています。芦屋市においては現行でも監査を実施していますが、あくまで市内部の監査に留まっています。いずれにせよ、市の事業を第三者評価にかける必要性は高いと感じます。

ただ大野城市さんについては、財政規模も小さい自治体です。また、人口に対して職員数が少ないです。よって少ない財源を有効に活用していくという観点も強いようで、経営の最適化を図っていくために実施しているという背景があります。利益最大化を最大の目的としている民間企業と違い、行政は利益を追求していく必然性はありません。とは言いながらも、お金を動かします。経営の最適化という観点は絶対に必要。

以下では、備忘録の意味も込めて視察内容について簡単にまとめておきます。

概要

公共サービスDOCK事業とは、以下の診断を実施するもの。

  • フルコスト計算書診断(財政の視点)
  • 民間活用のあり方診断(業務プロセスの視点)
  • 業務・システム最適化診断(業務プロセスの視点)
  • 初期診断(市民満足度の視点)
  • 人財と育成の活用診断(人財と育成の活用の視点)

フルコスト計算書診断とは

毎年定例的に行う経常事業の収支をまとめたもの。どれだけの税金や人員を利用して事業を実施しているかを「視える化」。事務事業の効率化や必要性の診断を実施する。

ただし、人件費については厳密な算出はしておらず、あくまで概算。事業別のデジタルな時間実績は取っていない。

民間活用のあり方診断とは

市民サービスの効果を診断。実施効果が市民等に還元されているかを診断する。

直営 ⇒ 指定管理者への変更を検討する際にも実施。指定管理者制度への移行が妥当かどうかを客観的視点からチェックすることにも適用している。

業務・システム最適化診断とは

市の事務事業を簡潔に標記した業務フローを作成。重複事業の整理やIT化による事業の簡易化、標準化を実施。全庁的な業務改善に繋げる。

初期診断とは

総合計画に記載されている事業について、市民満足度の視点から事業の成果目標、市民ニーズ、事業効果などの診断を実施。今後の新規事業の選定に役立てたり、事業のスリム化に繋げる。

市民満足度の調査については、毎年アンケートを実施。約10万人の市民に対し、1000人を抽出している。

人財と育成の活用診断とは

働き方改革に主眼をおいた取組み。現在協議を進めている。協議事項は以下のとおり。

  • 時間外勤務の現状および問題点の把握
  • 適正な年齢構成および業務量に対応した配置の検証
  • 職員ニーズに合致した休暇制度の在り方の検討

芦屋市での実現は?

事業別のコストを明確にするなど、芦屋市でも実施すべき点がありました。ただし、大野城市の取り組みは全庁で総合的に実施しなければならない取組みです。大野城市のやり方を直ちに芦屋で取り組んでいくのは難しいと思われます。まず、概算でも構わないので事業別のコストを明確にしていくところから実施していただけるよう、検討したいところ。

事業の評価という意味では、本来は議会がやるべきことです。しかし、今の予算・決算の審査のやり方ではあまりに広範囲。それぞれの事業について、細かく評価をしていくのは難しいと言うのが実態です。

全体を総括的にチェックする機関と事業をピックアップして、細かなところをチェックする機関の両者が必要だと思います。議会による事務事業評価と合わせて検討していきたいところです。