今日も昨日に引き続き視察。最終日の今日は横須賀市役所にて以下の2点について説明を受けました。

  • 「予算決算常任委員会について」
  • 「通年議会について」

予算決算常任委員会について

芦屋市議会では、決算審議は一部の議員のみが担当。そして、予算審議は全員参加の特別委員会として、各常任委員会を分科会という扱いにして審議を実施しています。

予算については全員で審議します。ですが決算については一部の議員のみが審議します。つまり、前年度決算の審議と新年度予算の審議が連動しません。問題があるとまでは言いませんが、議会に入って2年。個人的にもモヤっとしている部分。

また、全所管の内容を一部の議員が審議するので委員になった議員の負担がハンパない。委員外の議員が蚊帳の外になりがちという問題も孕んでいます。

予算決算常任委員会設置の目的

  1. 従来の分割付託による審査方法は、各委員会での表決結果が異なる可能性がある等の矛盾が生じる可能性があるため。
  2. 予算審査と決算審査を同一議員が行うことにより、総合的・一体的な審査を行うため。

横須賀市議会の場合、議案の中身を所管別に分割して審議していました。なので、同じ会派で同じ議案に対し、異なる態度を出す可能性があります。また、同じ議案でも片や可決すべき、片や可決すべきでないとなる恐れが出てきます。

芦屋市議会の場合、議案単位で委員会を振り分けているので、1の理由は当てはまりません。その代わり、所管とマッチした審議ができない恐れがあるという弊害があります。例えば、補正予算は総務常任委員会で審議します。仮に補正の中身が建設関連なのであれば、本来は建設公営企業常任委員会にて審議を行うべき。ですが今のルールではそれができません。

設置の経緯

平成18年3月に地方自治法が改正され、議員が複数の常任委員会を兼務できるようになったことがきっかけ。横須賀市議会は上述の矛盾点を懸念しており、予算と決算の常任委員会化を検討していましたが、地方自治法による縛りが原因で着手できないでいたそうです。

予算決算常任委員会の構成

  • 全体会
    • 理事会
    • 常任委員会分科会
    • (特別委員会分科会)

全体会は全員参加の委員会。理事会は各常任委員会の正副委員長が所属し、委員会運営について検討する場。特別委員会分科会は、予算に絡むような内容の特別委員会をつくっている場合に審議を実施。基本は常任委員会の分科会で担当するため、制度として設置している。

芦屋市での実現は?

前年度決算⇒新年度予算の審議を同一議員が実施していないというのは、あまり良くない状況です。また決算審議を分科会方式とすると、委員の負担軽減も然ることながら、今の会派代表による特別委員会での審議よりももっと深い議論が出来るようになります。

議会としての対応なので、実現可能性は充分にあります。ですが、どういう仕組みがベターなのか。まだ検討が必要です。ですが、前年度決算と新年度予算の審議を同じ人が行えるような仕組みづくり自体は必要になってくると思います。

通年議会について

現状、芦屋市議会は6月、9月、12月、3月に定例会を実施します。この4回の定例会は市長が招集します。それ以外の月については「閉会中」となり、その間に議論が必要となった場合は臨時会を開きます。ちなみに、僕が議員になって2年の間に臨時会が開かれたことはありません。
【参考】市政と議会/議会の権限・運営(芦屋市)

なんで通年議会云々という話が持ち上がってきているかというと、専決処分という仕組みによるものが大きいです。

専決処分とは?

専決処分とは「閉会中や緊急で議会を招集する時間がない場合には議会に代わって市長が意思決定できる」という仕組みです。ちなみに、専決処分には以下の2パターンがあります。

  • 地方自治法179条に基づく緊急の場合の専決処分
  • 地方自治法180条に基づく議会の委任による専決処分

地方自治法179条に基づく緊急の場合の専決処分

  • おもに議会が機能しない事態(招集が間に合わないなど)への対処を目的として首長が独自の判断で処理する。
  • 決定した内容は次の議会で承認を求める必要がある。
  • ※議会で不承認とされても専決処分の効力は失われない。仮に不承認となると、市長の政治的責任となる可能性がある(暴走、独裁)

地方自治法180条に基づく議会の委任による専決処分

  • スピーディーな運営のために決議までの時間を省略するためにある。
  • あらかじめ議決で決められた事項に関しては首長が自由に処分できる。
  • 議会には報告するだけで、承認を求める必要はない。

横須賀市議会での対応

横須賀市議会では、通年議会として179条に基づく専決処分ができないようにしています。その代わり、180条に基づく専決処分についての条例に項目を追加して専決処分の幅を増やしているそうです。市長が経営判断をするに当たり、スピード感が必要なこともあるからこその対応だと思います。

通年議会とは、1年中「開会中」となるのか?

横須賀市議会では、定例会以外の月については「休会」という形にしているとのこと。閉会では無いので、臨時で議会を開くことが可能。仮に閉会としてしまうと、臨時会を開催するには色々手続きが必要となり、時間がかかります。

芦屋市議会での実現性は?

179条に基づく専決処分が無くなるのは意味が大きいです。しかし、芦屋市議会では閉会中にも継続調査事件として、各常任委員会とも月に1回ぐらいは所管事務調査の報告を受けています。すなわち、閉会中であっても事業の進捗状況をヒアリングすることが可能となっています。

基本的に市民の声を聴いたり、調査を行ったりというのを会期中に行うのは難しいです。なので閉会中での活動も大きな意味を持ちます。

仕組みとして、通年議会の実現可能性はあります。ただ、通年議会がベターなのか。もう少し研究が必要なのかなというところです。