今日から3日間、会派視察を行います。芦屋市議会の公明党会派さんとの合同視察ということになります。いずれの視察もとても興味深い視察項目なので、ありがたい話です。

初日の今日は、富士市役所にて「議会事業評価」について視察。行政が行う各事業の事業評価を議会が実施するというものです。

芦屋市では、行政による内部評価は行われています。ですが議会による外部評価という形はとっていません。3日間の決算特別委員会にて各事業についての質疑を行うのみに留まっています。富士市さんの場合、従来の決算委員会に加えて事務事業評価も実施しています。俯瞰的な審議は委員会で、個別具体的な審議を事務事業評価でやっている感じです。

内部評価に問題があるとは言いませんが、客観性がありません。議会として、個別事業に対する評価を行うことで外部評価が行われることになります。そして議員個人や会派としての指摘よりも、議会としての指摘の方が意味深く、重く受け止めるべきなのは当然の話です。芦屋市議会でもぜひ取り入れたい取り組みであると感じました。

自身の備忘録の意味も含め、今日教えてもらったことを記載しておきたいと思います。

議会基本条例

富士市議会では、議会基本条例にて決算審査についての項目を掲げています。議会による事業評価は、議会基本条例に基づき実施されている取り組みであるとのことです。

(決算審査)

第10条 議会は、決算の審査に当たり、市長等が執行した事業等の評価(以下「議会の評価」といいます。)を行うため、市長等に必要な資料の提出を求めることができます。

2 議会は、予算編成に生かすため、議会の評価を市長に対して明確に示すとともに、予算に反映するよう求めなければなりません。

3 議会は、審査の内容を充実させるために、学識経験者等による専門的調査等を必要に応じて活用しなければなりません。

富士市議会 議会基本条例より
http://www.city.fuji.shizuoka.jp/shisei/c0407/fmervo0000008okt.html

評価対象事業の選定

行政の事業は多岐に渡り、かなりの件数があります。芦屋市だと、平成27年度決算の事務事業評価の件数は480を超えます。これを全部評価するというのはさすがにちょっと無理があります。

なので、富士市さんでは決算審査に入る前に決算委員会の協議会を立ち上げ、評価対象事業を選定しているそうです。選定の仕方として、各会派から評価対象の事業を持ち寄った後、決算委員会の協議会で決定するという流れを採っているとのこと。

平成28年度の実績だと、一般会計の事業から5件、企業会計の事業から4件を選定しています。

資料請求

選定された事業についての資料を行政に対して請求します。その中には、行政が行った内部評価の結果も含まれるとのこと。資料を20日間ほど読み込んだ後、評価対象事業に関する当局説明と質疑を行います。委員会審査と同じぐらいの熱量で行うそうなので、決算審議を前倒してやっているみたいな感じですね。

評価の決定

各会派から、各事業に関する評価を記載したシートを持ち寄ります。これらの評価シートを元に決算委員会の協議会にて協議し、評価内容を決定します。

協議会において大方の合意形成を行い、最終的に議会運営委員会で決定しているため、意見が割れるケースはあまりないとのこと。決算委員会の委員長の采配がものを言うと思いますが。

市長への提出

議会としてフィックスした評価内容を市長に提出します。その際にはマスコミも呼ぶそうで、市内での注目も高まっているようです。

市長としても、議会からの評価を重く受け止めているようです。その証拠に、翌年度の予算編成時には評価結果を考慮した形での予算編成を行っているとのこと。

所感

決算委員会においても、事業の評価は行います。ですが如何せん範囲が広いため、広く浅くの議論になってしまいます。富士市さんのやり方だと、評価対象を絞るため、狭く深くの議論を行い評価を行うことが可能です。また、議会が行政をチェックしているということが視覚的に分かります。市民にとっても、議会の働きが分かりやすくなる効果があるのだろうと思います。

議会による事業の評価は、議会が元々やらなければいけない仕事です。決算特別委員会での審議の中、いくつかの事業を抽出して具体的な審議をする訳ですから、従来からの審査のやり方が少し変わるだけです。新しい何か特殊なことをやらないといけないという訳ではありません。

また、行政サイドに何かやってもらうという性質のものでなく、議会だけの対応でもあります。これなら芦屋市議会でも進めていけるんじゃないかと思います。例えば1つの事業のみとか、2つぐらいでお試しとしてやってみる価値はあると思います。